腰掛ける[語句情報] » 腰掛ける

「腰掛ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腰掛けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
と、直ぐむやみに髪の毛の長い男がはいって来て、不安そうな眼をしょぼつかせて椅子に腰掛けると、 「あんたも応募でっか」と訊いた。 「はあ」と曖昧に返事していると、....
芽生」より 著者:島崎藤村
なぞは立っていなければならない位で、子持がそこへ坐って了えば、子供の方は一人しか腰掛ける場処がなかった。お房とお菊はかわりばんこに腰掛けた。お繁はまた母に抱かれ....
新生」より 著者:島崎藤村
コーヒーてん》の方へ向いた。小ルュキサンブウルの並木を前にして二人ともよく行って腰掛ける気の置けない店があった。そこが岡の言う「シモンヌの家《うち》」だ。 店....
刺繍」より 著者:島崎藤村
に通す特別な応接間に用いている。そこだけは、西洋風にテーブルを置いて、安楽椅子に腰掛けるようにしてある。大塚さんはその一つに腰掛けて見た。 可傷《いたま》しい....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
うに。しかし半蔵はそんなことに頓着しない男だ。のみならず、彼はこうした場処に来て腰掛けるのが好きで、ここへ来て足を休めて行く旅人、馬をつなぐ馬方、または土足のま....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
つの大きな卓を置いたような食堂の光景が、やがて通禧らの目に映った。そこの椅子には腰掛ける人によって高下の格のさだまりがあるでもなかったが、でもだれの席をどこに置....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
りにして前垂掛けの森夫、すこし首をかしげ物に驚いたような目つきをして寿平次の隣に腰掛ける和助――皆、よくとれている。伏見屋|未亡人のお富から、下隣の新宅(青山所....
」より 著者:島崎藤村
、S君を訪ねてみたのサ。すると、そこに居たのがB君じゃないか」 「ええ、つい隣に腰掛けるまで、西君とは思いませんでした」と記者も引取って、「それに苗字は変ってま....
」より 著者:島崎藤村
うに、三吉の胸に映ったり消えたりした。 そのうちに、三吉は大島先生の側へ行って腰掛けることが出来た。先生は重い体躯を三吉の方へ向けて、手を執らないばかりの可懐....
銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
ら数はたった二台しかありませんでした。馬は四頭立で車台は黒塗り、二階は背中合せに腰掛けるようになっていて梯子は後部の車掌のいる所に附いていました。馭者はビロード....
男ぎらい」より 著者:豊島与志雄
何でも言ってしまいましょう。 倉光さんもそうですし、井上さんもそうですが、物に腰掛ける時、両の膝をひろく両側へひろげます。男のひとは皆そうします。電車の中など....
明日」より 著者:井上紅梅
いよ静まり返った。そこでふらふら歩き出し、門を閉めに行った。帰って来て寝台の端に腰掛けると、糸車は静かに地上に立っている。彼女は心を定めてあたりを見廻しているう....
一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
赤切符だ。 B 人間は皆赤切符! やっぱり話せるな。おれが飯屋へ飛び込んで空樽に腰掛けるのもそれだ。 A 何だい、うまい物うまい物って言うから何を食うのかと思っ....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
、食事がすむと、リューシーは、葡萄酒を篠懸の樹の下に持ち出して、みんなそこへ出て腰掛けることにしましょう、と言い出した。すべてのことが彼女次第であり、彼女を中心....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
顔になった。そうして窓際の小さなテーブルに、その大きな図体をぶっつけるようにして腰掛けると、無造作に壁に背を凭した。黒に近い葡萄色の軽装で両手を高くまくり上げ、....