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「腰縄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腰縄の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
た。 コツ/\と云う忍びやかな足音が聞えて来た。 やがて扉がスーッと開いて、腰縄を打たれた支倉が悄然と這入って来た。石子と渡辺の二刑事が彼の背後に従っていた....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
りませんと私の一命に拘わりますと申したので、お採上げになって、直に松右衛門の手で腰縄をかけさせまして入牢と相成り、年寄へ其の趣きを届け、一通り取調べて奉行附の用....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
て、追分の名主のことについて、何がそんな評判を立てさせたか、名主ともあろうものが腰縄手錠で松代藩の方へ送られたとはどうしたことか、そのいぶかしさを半蔵にたずねた....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
これには人民一同|狼狽してしまった。 過ぐる月日の間、半蔵はあちこちの村々から腰縄付きで引き立てられて行く不幸な百姓どもを見て暮らした。人民入るべからずの官有....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
して礼を返した。 ところへ紺飛白の袷一枚を、素肌に纏うた呉一郎が、二人の廷丁に腰縄を引かれて這入って来ると、三人の紳士は左右に道を開いて正木博士に侍立した形に....
獄中記」より 著者:大杉栄
暗い広い廊下のあちこちに一列にならべさせられる、そしてそこで、手錠をはめられたり腰縄をかけられたりして、護送看守部長の点呼を受ける。「前科割り」の老看守は一組の....
続獄中記」より 著者:大杉栄
車に乗せられたりした。 あの赤い着物を着て、編笠を被って、素足に草鞋をはいて、腰縄をつけられて引っぱられて行くさまは、たしかに道行く婦女子等をして顔そむけしめ....
少年探偵長」より 著者:海野十三
そくでかけよう」 姉川は、黄金メダルをポケットの中へねじこんだ。それから彼は、腰縄をといて、外套をぽんと脱いだ。それから手を天井の方へ延ばして、天井裏をごそご....
ある遊郭での出来事」より 著者:若杉鳥子
めた表情をして、彼女は階段の下に立っていた。 客と刑事とは二三何か問答をして、腰縄を客に打って、一同は店の土間へ降りようとした。降りかけて客は九重の方を顧み、....
平凡」より 著者:二葉亭四迷
て、自由民権の大義を唱《とな》えて、探偵に跟随《つけ》られて、動《やや》もすれば腰縄で暗い冷たい監獄へ送られても、屈しない。偉いなあ! と、こう思っていたから、....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
が穿ものをさがすうちに、風俗係は、内から、戸の錠をあけたが、軒を出ると、ひたりと腰縄を打った。 細腰はふっと消えて、すぼめた肩が、くらがりの柳に浮く。 ……....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
や」 主「それでも斯様な大病人を何うなさる積りで」 林「おい金藏、この親爺も腰縄にしてくれえ、兎も角も玄関まで引いて往くから……」 この玄関と申しますのは....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
の門を出でたり。迅《はや》きようにても女の足の後《おく》れがちにて、途中は左右の腰縄《こしなわ》に引き摺《ず》られつつ、辛《かろ》うじて波止場《はとば》に到り、....
大岡越前」より 著者:吉川英治
た。 夕闇せまる往来には、黒々と人立ちがして、縄付を指さしあっていた。悄然と、腰縄で首うなだれてゆく小柄な男――やはり久助にちがいなかった。 「……オオ!」 ....