腰障子[語句情報] »
腰障子
「腰障子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腰障子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
の悪いと申す事は、仕方のないもんでございますね。」
婆さんは水口《みずぐち》の
腰障子を開けると、暗い外へ小犬を捨てようとした。
「まあ御待ち、ちょいと私も抱い....
「文七元結」より 著者:三遊亭円朝
文「ヘエお肴《さかな》が」 主人「イエサもう来ているだろう」 と云いながら
腰障子を開けると、其の頃の事ゆえ、四ツ手駕籠で、刺青《ほりもの》だらけの舁夫《か....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
云う粉屋《こなや》の裏へ入り、 文「森松こゝらかな」 森「へえこゝでしょう、
腰障子に菱左《ひしさ》に「い」の字が小さく角《すみ》の方に書いてあるから」 文....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
うむ」 答えた自分も妻も同じように、愛の笑いがおのずから顔に動いた。 出口の
腰障子《こししょうじ》につかまって、敷居《しきい》を足越《あご》そうとした奈々子....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
面当てというでもあるまい。あたかもその隣家の娘の居間と、垣一ツ隔てたこの台所、
腰障子の際に、懐手で佇んで、何だか所在なさそうに、しきりに酸漿を鳴らしていたが、....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
、勝手口の外で 「若え親方も兼公も行くにゃア及ばねえ」 と声をかけ、無遠慮に
腰障子を足でガラリッと押開け、どっこいと蹌いて入りましたのは長二でございます。結....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
に控え居れ」 傳「へえー」 重二郎は傳助を路地の表に待たして、自分一人で裏口の
腰障子へぼんやり灯がさすから小声で、 重「おきんさんの宅は此方かえ」 と云うと....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ような女房の声、うしろ見られる神棚の灯も暗くなる端に、べろべろと紙が濡れて、門の
腰障子に穴があいた。それを見咎めて一つ喚く、とがたがたと、跫音高く、駈け退いたの....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
くして辿りついた薄暗い饂飩屋であった。 何しろ薄暗い。……赤黒くどんより煤けた
腰障子の、それも宵ながら朦朧と閉っていて、よろず荒もの、うどんあり、と記した大な....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
開いたわ。お前さん、中は土間で、腰掛なんか、台があって……一膳めし屋というのが、
腰障子の字にも見えるほど、黒い森を、柳すかしに、青く、くぐって、月あかりが、水で....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
一｜月あたりは未だ寒気も強く、ちょうど雪がどっどと降り出して来ました。幇間三八の
腰障子の閉って有る台所に立ちましたのは、奧州屋の女房おふみ、三歳に成る子を負いま....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
して、猿田の松五郎の宅へ参りました。見世は片付けて仕舞い、縁台も内へ入れて一方へ
腰障子が建って居ります、なれども暑い時分でございますから、表は片々を明け放し、此....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
に据えて、ト上目づかいに差出した。それは読めたが、今声を懸けたばかりの、勝手口の
腰障子は閉まったり、下流の板敷に、どッしり臀を据えて膝の上に頤を載せた、括猿の見....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
池の茶屋というのは、この冷い水の滸りに建てられたるただ一軒の破ら家である。入口の
腰障子を開けて入ると、すぐ大きな囲炉裡がある。囲炉裡の中には電信柱ほどもある太い....
「粟田口霑笛竹（澤紫ゆかりの咲分）」より 著者:三遊亭円朝
いて隣が仙太郎の宅で、好い家ではございませんが、表には荒い格子が嵌って、台所には
腰障子が嵌めてありまして、丸に仙太というのが角字でついて居ります。鬼の女房に鬼神....