腰高障子[語句情報] » 腰高障子

「腰高障子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腰高障子の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
た。 和泉橋の角まで行くと、橋詰めの火の番所。 破れたところが一つ二つある、腰高障子が、ぼんやり灯影を宿した中に話し声が聞えていたが、平馬の雪駄《せった》の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
燻《くす》ぶった、軒には菱形《ひしがた》の煙草の看板がつるされ、一枚立てきられた腰高障子には大きな蝋燭《ろうそく》の絵がある茶店の中に、将棋《しょうぎ》を差して....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た。 「米友さん」 三度目に米友の名を呼びました。 「御免下さい」 台所口の腰高障子をそっとあけて、忍び足で家の中へ入り、中の障子へ手をかけて、 「米友さん....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の声は、まさしく木口勘兵衛尉源丁馬。 「来たな」 と鐚は思いました。 ガラリと腰高障子を引きあけた木口勘兵衛尉源丁馬は、朱鞘《しゅざや》の大小の、ことにイカつ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
あろう。拙者が出る」 と懐手《ふところで》、のっそりと台所に来てみると、水口の腰高障子《こしだか》から二つの顔がのぞいている。 あさくさ田原町三丁目の家主喜....
丹下左膳」より 著者:林不忘
た。 チョビ安は寝ぼけまなこをこすりながら、裏手の井戸端へ顔を洗いに、ガタピシ腰高障子《こしだか》をあけて出ていった。 半鐘の音はいつしかやんだようです。夜....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
《ふろば》に近くて、婢《おんな》や下男が多勢立ち働いているのが、あけ放した水口の腰高障子《こしだか》のなかに見えていた。薪《たきぎ》を割る音や茶碗《ちゃわん》を....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
ここは割り下水の方来居。 相良玄鶯院が草庵だ。 ぬれ鼠の守人が、そっと裏口の腰高障子をあけると、乱雑に脱ぎ捨てたおびただしい高下駄で、土間は足の踏み場もない....
泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
幾月振りだ、一、二杯は天の神さまも許してくれるだろう―― 思いきって、泡盛屋の腰高障子をあけた。三杯ばかり、立てつづけに呷った。酒精の熱気が五臓六脇へ泌みわた....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
こうしつこく立たれては仏の顔も三度まで、第一客足にも障ろうというもの――海老床の腰高障子《こしだか》へ隠居が蝦の跳ねている図を絵いてから、合点長屋と近江屋とは髪....
南北」より 著者:横光利一
がった。 「抛り出せ。」 「なぐれ。」 「やれやれ。」 騒ぎの中に二人の塊りは腰高障子を蹴|脱した。と、再びそこから高縁の上へ転がると、間もなく裸体の四つの足....
春心」より 著者:田中貢太郎
は肆の者には眼もやらないで、肆の左側の通りぬけになった土室を通って往った。そこに腰高障子が入っていて、その敷居を跨ぐと庖厨であった。そこは行詰に釜のかかった竃が....