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腱
「腱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
と見た。わずかに残った胡麻塩《ごましお》の毛が、後頭部を半ばおおった下に、二筋の
腱《けん》が、赤い鳥肌《とりはだ》の皮膚のしわを、そこだけ目だたないように、のば....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
やがて裸身《はだかみ》にされて藁《わら》の上に堅くなって横《よこた》わった。白い
腱《すじ》と赤い肉とが無気味な縞《しま》となってそこに曝《さ》らされた。仁右衛門....
「杯」より 著者:森鴎外
第八の娘は黙って、その熔巌の色をした杯を出した。 小さい杯は琥珀いろの手の、
腱《けん》ばかりから出来ているような指を離れて、薄紅のむっくりした、一つの手から....
「道標」より 著者:宮本百合子
《びっこ》であることが、伸子を厳粛にした。弟の和一郎の小児麻痺をして左の足くびの
腱に故障があった。赤坊のときから家じゅうの関心がそこに集められていて、和一郎が四....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
も残っているくらいですが正にその通りです。貴方は、貴方特有の強健な趾と、アキレス
腱の跳躍力を利用して、この事件を遂行されたに違い無いのです。あなた独得の明敏な頭....
「新しい船出」より 著者:宮本百合子
かたと判断、生活に一定の方向を求めてゆく感情の思意ある一貫性などが、強靭な生活の
腱とならなければ、とても今日と明日との変転に処して人間らしい成長を保ってゆけまい....
「若き僚友に」より 著者:宮本百合子
トの実践理性の要請という特別の言葉であって」云々と。粗暴な狼たちは、このアキレス
腱めがけて、菅氏にとびかかり、かんでかんで、遂に彼の勇気を、かみちぎってしまいま....
「呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
らべてみると、「女子ニハ皮膚下ノ脂肪|富贍ナルガ為ニ形態豊満ニシテ、男子ニハ筋肉
腱骨ノ強大ニシテ挺起スルガ為ニ其形態稜々トシテ鋭シ」という文章であった。いまだ少....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。何処かに私のしこりをほぐすものがあります。しこりがほぐれて、こまかいいろいろの
腱だの筋だのがわかって来るような生活の感情は、やはり面白いし、ああこっていたと今....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
スポーツの訓練がないからよ。静坐的な成長をして。スポーツ精神はあるけれ共、筋だの
腱だのが至って大したことなくて残念ね。 八日のお手紙、心からありがとう。あすこ....
「白銀の失踪」より 著者:ドイルアーサー・コナン
いたものなんです。大佐、あなたの競馬に関する広い経験をもってすれば、馬の膝膕部の
腱に、外面に何んの痕跡をも残さず皮下手術的にちょっと傷をつけることは容易であって....
「レンブラントの国」より 著者:野上豊一郎
授の言葉の理解に注意を集めてることである。それをばピンセットの尖に持ち上げられた
腱を凝視しながら理解しようとしてる者もあれば、空《くう》を睨んで理解しようとして....
「足の裏」より 著者:蘭郁二郎
のもの、地踏まずのハッキリしているもの、その地踏まずの凹んだところに、痩せた人で
腱の出る人、痩せていても
腱の出ない人……親指が中指より長い人、短かい人、指の揃っ....
「花子」より 著者:森鴎外
花子に移って、そこにしばらく留まっている。 学生は挨拶をして、ロダンの出した、
腱の一本一本浮いている右の手を握った。La Danaide や Le Baise....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
サチロスもまた跡に附きて跳り出づ。
痩せたる脛に山羊の足首附きたり。
その脛は
腱あらはに痩せたるが好し。
そはシャンミイと云ふ獣のごと、
山々の巓を興がりて見....