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腸炎
「腸炎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腸炎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
本のバットへ火を移した。弔辞はもう今日までに二つばかり作っている。最初の弔辞は盲
腸炎《もうちょうえん》になった重野少尉《しげのしょうい》のために書いたものだった....
「生きている腸」より 著者:海野十三
ところは、男囚が二千九百名もいるんじゃないか。中には死刑になるやつもいるしさ、盲
腸炎になったりまた変死するやつもいるだろうじゃないか。その中から、わずか百|C・....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
行く、木村のしょんぼりした後姿は見ていられなかった。 其の後、漁夫の一人が、盲
腸炎でたった四日間病んだきりで死んだときにも、やはりこの「契約書」がものを言った....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
離れると、非常に近しい親か兄弟のように感じられる。 彼は、居留民保護の名で、盲
腸炎の小母を見舞に帰るひまもなくせき立てられて、あわたゞしく、こゝまでやって来た....
「東京八景」より 著者:太宰治
蒲団のままで寝台車に乗せられ、阿佐ヶ谷の外科病院に運ばれた。すぐに手術された。盲
腸炎である。医者に見せるのが遅かった上に、湯たんぽで温めたのが悪かった。腹膜に膿....
「帰去来」より 著者:太宰治
をして居られた。元気が無かった。 「どうしたのです。痩せましたね。」 「ええ、盲
腸炎をやりましてね。」 あの夜、青森発の急行で帰京したが、帰京の直後に腹痛がは....
「川端康成へ」より 著者:太宰治
五十円のお金をもらえることになった。私はさっそく貸家を捜しまわっているうちに、盲
腸炎を起し阿佐ヶ谷の篠原病院に収容された。膿が腹膜にこぼれていて、少し手おくれで....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
人も居ります。脊骨を挫いた人が三人程に、火傷の人や、三階や二階から落ちた人や、盲
腸炎の人や、なか/\種々な種類の患者が居ります。
脊骨が折れても余病さえ起さねば....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
とき、突然、また例の副官の声が、聞えた。 「長官に申上げます。只今、第四参謀が盲
腸炎で入院し、直ちに開腹手術をいたしますそうです」 「なに、第四参謀が……」 「....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
たのである。愈々予定の額になって、さて、油絵の道具を買いに行こうという瞬間に、盲
腸炎になってしまった。入院し、実に貧弱な肉体ですなア、と医学博士に折紙つけられた....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
まア、トンマな子だったらありゃしない。 母は私の妹を溺愛のあまり殺していた。盲
腸炎で入院して手術の後、二十四時間絶対に水を飲ましてはいけないというのに、私と看....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
る知識で解決しようとするものだ。例えば患者が激しい腹痛を訴えた時、外科医は直ぐ盲
腸炎だと考え、内科医は直ぐ胆石病だと考える、というような事がいわれている。そこで....
「アラメダより」より 著者:沖野岩三郎
するうちに、先方から、 『私には一人の娘がありましたが、二十二歳で死にました。盲
腸炎を手術しましたので……可愛い生徒たちが私を慰めるために、今日はこんなに沢山の....
「宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
智子一座というのをつくって、ひところ華やかにやっていたが、宇部かどこかの楽屋で盲
腸炎を患って死んでしまった。これは先代の大江美智子のことで、お父さんが新派の役者....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
入院しているので出頭出来かねるという答えであった。 病院へ問い合せると、急性盲
腸炎で今朝手術したばかりだから面会謝絶だという、彼は病院にいて、しかも絶対安静を....