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腹が減る
「腹が減る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腹が減るの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
は相違ない。ひろびろとした海の上で、潮風に吹《ふ》かれるのは薬だと思った。いやに
腹が減る。「あの松を見たまえ、幹が真直《まっすぐ》で、上が傘《かさ》のように開い....
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
こじき》がいる。諸所放浪しているうちに、或日、或時、或村へ差しかかると、しきりに
腹が減る。幸《さいわい》ひっそりとした一構えに、人の気《け》はいもない様子を見届....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
咽喉《のど》が渇《かわ》く。水を飲もうとすると水が退《ひ》いて行く。タンタラスは
腹が減る。菓物を食おうとすると菓物が逃げて行く。タンタラスの口が一尺動くと向うで....
「鮨」より 著者:岡本かの子
団を入れると、何か身が穢れるような気がした。空気のような喰べものは無いかと思う。
腹が減ると饑えは充分感じるのだが、うっかり喰べる気はしなかった。床の間の冷たく透....
「苦力頭の表情」より 著者:里村欣三
物を、前の空地に運んで貪りついた。一日十五六時間も働いて、日の長いのに三度の飯は
腹が減るのは無理もなかった。俺は腹が減り切っていたが、マントウには手が出なかった....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
ない、Bの前に起ったAと云う現象のために支配せられている事ももちろんであります。
腹が減るという現象が心に起ればこそ飯《めし》が旨《うま》いという現象が次いで起る....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
だから笑わせる。 午前と午後と二度、雨の中を重い風呂敷包を背負って帰った。さぞ
腹が減ることと同情したが、何の風情もない。わずかに一切れの手製パンに、先日岡東よ....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
いつつ菓子皿に残れるカステーラの一片を頬ばり「むむ、少し……甲板に出ておると……
腹が減るには驚く。――従卒、菓子を持って来い」 「君も随分食うね」と赤きシャツを....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
したら読むお経は一行も無いね。空気が在るから仕方なしに生きている。生きているから
腹が減るのは止むを得ないという連中ばかりが、元来持って行き処のない尻を俺の処へ持....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
をいわれる覚えはございません、おいしい物を沢山に戴いた時は、孝助殿お前は若いから
腹が減るだろうと云って、皆な孝助にやって食べさせる位にしているのに何たる事でしょ....
「とも喰い」より 著者:本庄陸男
る蕎麦団子を食ってしまった子供に阿母は厳しく申渡した。 「早う寝え! 起きとると
腹が減る!」 子供は筵のような蒲団に潜った。庇の合間から吹き上げて来る粉雪が、....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
か西洋だか食物の味で支那か印度かゞ分るような訳で」 とむしゃ/\喰いまして、「
腹が減ると甘い物で、旦那これは日本に違いない、日本らしい味がする」 山「よしなよ....
「木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
包みを取出した。中には海苔巻のすしがたくさんにはいっていた。 「山越しをするには
腹が減るといけないと思って、食い物をたくさん買い込んで来たのですが、そうも食えな....
「枯尾花」より 著者:関根黙庵
サッサッと歩いて無事に登山が出来たと話した事があった、此処は妙な処で馬でも何でも
腹が減ると、立すくみになると云い伝え、毎日何百|疋とも知れず、荷を付けて上り下り....