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腹に一物
「腹に一物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腹に一物の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「機械」より 著者:横光利一
冠《かぶ》さって来ながら、こんな製作所へこういう風に這入って来るとよく自分たちは
腹に一物あっての仕事のように思われ勝ちなものであるが君も勿論知ってのとおりそんな....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
もし宗春が彼女の美に、幻惑陶酔すること無く、観察的に眼を走らせたとしたら、彼女が
腹に一物あって、彼を魅せようとしていることに、屹度感付いたに相違無い。だが宗春は....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
やりの着物や帯を、どんどん送ってよこしますからね。」といやに優しい言葉遣いをして
腹に一物、あたふたと上方へのぼる。 留守中は女房、昼頃起きて近所のおかみたちを....
「神棚」より 著者:豊島与志雄
てやるがいいぜ、しきりに待ってたから。」 俺は先程からの池部の様子で、彼が何か
腹に一物あることを気付ていた。それが今の言葉で愈々はっきりしてきた。考えてみれば....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
て見せるのである。 その返礼は何か、というと、つまり、アイツは気立のよい奴だ、
腹に一物あるようなところもあり、そゝっかしい愚か者だが、案外心のよい奴だ、そう言....
「真珠の首飾り」より 著者:神西清
ニコライの悪党め、うちの弟の御面相から、一目でこりゃいい鴨だわいと見破りおって、
腹に一物の御馳走ぜめとおいでなすったな。まず当分は、いずれ縁談が本ぎまりになるま....