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腹の皮
「腹の皮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腹の皮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
纏《ねんてん》は、だんだん溜って翁の腹を縲《にな》の貝の形に張り膨らめた。それに
腹の皮を引攣《ひきつ》られ翁はいつも胸から上をえび蔓《づる》のように撓《たわ》め....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
円《まる》げて持ち、霞《かすみ》も絡《まと》わぬ姿になった。
馬は背《せな》、
腹の皮を弛《ゆる》めて汗もしとどに流れんばかり、突張《つッぱ》った脚もなよなよと....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
かったであろうし、滝人は滝人で、またありたけの口を開いて、眼前の猿芝居――まるで
腹の皮が撚《よ》れるほど、滑稽な恐怖を嗤《わら》ってやりたかったに相違ない。とこ....
「オシャベリ姫」より 著者:かぐつちみどり
い。ああ、おもしろい。変な国ですこと。アハハハ、ホホホホホ。ああ、あたしはもうお
腹の皮が痛くなりそうよ。あんまり可笑しくて可笑しくて……」 と腹を抱えて笑いな....
「雪の塔」より 著者:海若藍平
むし へのへのもへしのひとおどり」 この踊りの可笑《おか》しくて面白い事、お
腹の皮が撚《よじ》れるようで、皆手を拍《う》って喜びました。 踊りがすっかり済....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
でも、一向赤くならない顔をあげていった。「だが、食うものがボツボツ無くなり、こう
腹の皮が突っ張ってきたのでは、一層睡くなるばかりだね。――それじゃ、どうだろう。....
「天馬」より 著者:金史良
味を知るよしもなかったので、 「え?」 と目を丸くするや、彼はいよいよ得意げに
腹の皮をよじらせつつ笑うのだった。そして又思い出したようにふふふと笑った。頽廃の....
「怪塔王」より 著者:海野十三
っ!」 大喝一声、怪塔王の膝頭は、帆村の下腹をひどいいきおいでつきあげました。
腹の皮がやぶれたろうと思ったくらいです。何条もってたまりましょう。 「う、ううん....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
から一つの鍵を出して、エフ氏の臍の穴につきこみ、これをぐっとまわしてひっぱると、
腹の皮がまるで扉のように手前へひらいて、腹の中がまる見えとなった。 ――といっ....
「死者の書」より 著者:折口信夫
育した、蓮の茎を抱えて、廬の前に並んだのには、常々くすりとも笑わぬ乳母たちさえ、
腹の皮をよって、切ながった。 郎女様。御覧じませ。 竪帳を手でのけて、姫に見せる....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
り長い間であったろうか、それをひとりよんでいた。空襲はおさまり、時々、破裂音がお
腹の皮をよじり、生徒の泣き声がしていた。私は、ふと傍に泥のついた軍靴を発見した。....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
い何処へ行っていた?」 すると死んだ魚のような目をした老坑夫は、声を出すたびに
腹の皮へ大きな横皺を寄せながら、 「それは、小頭さんに、訊いて下さい」 と云っ....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
さんが帰って来たのさ。お多福め、苦しがりやがって俥屋の尻が何だとか……はははは、
腹の皮を綯らしやがった。だが、そう見られるほど意気に出来てりゃしようがねえ」 「....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
戴したのである。 彼は親切で、深く恩に感じる人間であり、心が大きくなる度合は、
腹の皮がご馳走でふくらむのに比例し、ものを食べると元気が出るのは、ほかの人が酒を....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
ペコペコや」 昼日散々、反吐が出るくらい豹吉に食べさせて貰ったのに、三郎はもう
腹の皮がひっつきそうだった。 「うん。わいもペコペコや。――銭があったらなあ。も....