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「腹一杯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腹一杯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
やなことが随分多かったらしい。 「――センターがなつかしかったえ」 「野宿しても腹一杯食べた方がましか」 「うん。それに、収容所にいたら、兄ちゃんに会われへんさ....
苦力頭の表情」より 著者:里村欣三
くら腹が減っていても、バラバラした味気のないマントウは食えなかった。塩辛い漬物を腹一杯に食って、水ばかり呑んだ。 仕事を終った時は流石に疲れた。転げそうな体を....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
くる。マグロ、イカ、タコ、シメサバ、タイラガイにて近頃になき豪華のもの。みなみな腹一杯たべる。 十二月二十七日 ◯いやに暖し。 ◯朝、千代ちゃん来る。 ◯おひ....
御萩と七種粥」より 著者:河上肇
無理に食べたかと、小言めいた物の言い方をしたが、しかしあのおはぎは、私にとっては腹一杯食べずには居られなかったものであり、今になって考えて見ると、あれは私が生涯....
放浪の宿」より 著者:里村欣三
から。どうかお願いいたします」彼は柔順に頭を下げた。 「ほ、腹が減ったろう。今に腹一杯喰わすぞ!」 「え、どうぞ」 「出来上がるまで、上って休んでいなよ」 も....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
「しめた」と考えた集五郎、相手が「釣手《つりて》」で退くとも知らず、ムッと気息、腹一杯、籠めると同時に躍り込んだ。両肘を延ばし、太刀を上げ目差すは小一郎の右の肩....
大使館の始末機関」より 著者:海野十三
わしの好きな燻製が朝から出て来るぞ。これは頼もしい。彼奴らの目の覚めないうちに、腹一杯喰っておくことにしよう」 博士の機嫌は、斜めならず、フォークとナイフとを....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
はもうたくさんじゃというのに。さっき、いやというほどカンガルーの燻製を喰ったよ。腹一杯になった」 「まあ、どうして召上ったのですか」 「泥棒がここへ持って来て、....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
万吉郎の部屋の方へスタスタと歩いていった。 いつも空腹なヒルミ夫人の冷蔵鞄が、腹一杯にふくれたのは、それから二時間とたたない後のことだった。 その冷蔵鞄とい....
小公女」より 著者:菊池寛
かセエラは、ベッキイを可哀そうな物語の女主人公にしていました。あの娘は食物さえお腹一杯はあてがわれていないのに違いないと、セエラは思いました。 それから二三週....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
いますよ。長く続けなければなりませんので。……こう胸を張って、こう首を延ばして、腹一杯に息を吸って、それから針を口へふくんで、それから吹くのでございますよ」で、....
」より 著者:佐藤垢石
帰れない。そこで毎日釣った鮎は、塩焼きに焼き大皿に山盛りに盛り上げて、毎夕三人で腹一杯食べた。食べきれないところは、乾物をこしらえ、塩漬けにした。それを風呂敷に....
夜光虫」より 著者:織田作之助
られた代り、口を使ってする自由は許されている。口は飯を食うためのものだ。が、飯は腹一杯食べられない。だからといって、口の用途を十分発揮できないというわけではない....
曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
りと横になると、如何にも屈托なさそうな欠伸《あくび》をした。 「何かうまい物が、腹一杯食って見てえな。二三日して、京伝の家の居候になりゃア、盗み食いをしない限り....
耳香水」より 著者:大倉燁子
大分|飲ける人と見えて、葡萄酒だ、ウイスキーだ、とたらふく飲んだり喰ったりして、腹一杯になると今度は眠くなったんでしょう。少し息ませろ、部屋はどこだ、案内しろっ....