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「腹中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腹中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に薄暗く、おまけに調度が少ないので、ガランとして淋しかった。床の中央には、大魚の腹中にある約拿を図案化したコプト織の敷物が敷かれ、その部分の床は、色大理石と櫨の....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
ナニ、鱗を? 何んのために?」 「ついでに云って聞かせてやろう。……大納言様は大腹中、金銀を湯水にお使いなさる。由緒ある金の鯱の、鱗をさえもお剥がしになりお使い....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の康煕年間のことである。会稽の徐藹という諸生が年二十五で※という病いにかかった。腹中に凝り固まった物があって、甚だ痛むのである。その物は腹中に在って人のごとくに....
怪星ガン」より 著者:海野十三
かったという。それから考えると、おそらくもうそのときまでに、ガン星はアドロ彗星の腹中へおさまっていたのであろう。ガンマ和尚やハイロ君の運命については、もちろんな....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
では手近な絵本西遊記で埒をあける。が、ただ先哲、孫呉空は、※螟虫と変じて、夫人の腹中に飛び込んで、痛快にその臓腑を抉るのである。末法の凡俳は、咽喉までも行かない....
天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
意、居心地は何うだ?」 腹に向かって呼びかけました。 「左様さ、先は平凡だの」腹中の老人が喋舌るのでしょう、斯う云う声が聞えて来ましたが「お前は何うだえ、宗意....
人造物語」より 著者:海野十三
京都府宮津中学校の四年生岡山大助君という少年が今度、人造犬を発明した、これは犬の腹中に電話器、モートル、電磁石、高圧器、真空管、スピーカー等を材料にして、でっち....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
小声で答えた。 「死因は何か?」 「さあその儀――いまだ不明にござりまする。……腹中の食物など調べましたなら……」 「では、外傷らしいものはないのだな」 「はい....
郷介法師」より 著者:国枝史郎
たのさ」 「何の事だか解らないな」 「彼奴、殿下にもなれるはずだ。底の知れない大腹中だ。で私は立ち退く意だ。そうだよ近畿地方をな」 「なんだ、馬鹿な、郷介程の者....
妖怪学」より 著者:井上円了
氏より寄せられたる書中に左の一項あり。よろしく参照すべし。 血気盛んなる小児の腹中に寄生する小虫を見る法なりとて、俗間に伝うるものを述ぶるに、小児の掌面に呪文....
妖怪談」より 著者:井上円了
もしろがっておりました。ところが、狐どもは腹へ入ってからというものは、たえ間なく腹中をかけ回るので、ついには腹部の激痛を感ずるようになりましたので、苦しむように....
迷信解」より 著者:井上円了
ときことは精神病者にありがちのことなれば、決して怪しむに及ばぬ。あるいは狐が己の腹中にすんでおる、口の中より出入するなどいうも、みな病的より起こすところの神経作....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
を示した事がなく、如何なる人に対しても少しも城府を設けないで、己れの赤心を他人の腹中に置くというような話しぶりは益々人をして心服せしめずには置かなかった。 二....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
ずるものではない。が、有体にいうと沼南は度量海の如き大人格でも、清濁|併せ呑む大腹中でもなかった。それよりはむしろ小悪微罪に触れるさえ忍び得られないで独りを潔う....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
そこで、原料|叩解機に移される。その山と積んだ白紙の層が、また瞬く間に、その大腹中に吸い込まれる、と、どろどろの綿状になり、繊維になり、液状のパルプになって、....