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腹工合
「腹工合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腹工合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「琴のそら音」より 著者:夏目漱石
って動くのかしらん。――もし今夜だけ動くのなら、ただごとではない。しかしあるいは
腹工合《はらぐあい》のせいかも知れまい。今日会社の帰りに池《いけ》の端《はた》の....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
か多人数打ち寄って遊んででもいるのか面白そうに笑う声が聞えた。余はこの時どう云う
腹工合かちょっとこの邸内を覗《のぞ》いて見たくなった。全く
腹工合のせいに相違ない....
「斜陽」より 著者:太宰治
葉書にしたためて知らせてやった。 発熱してかれこれ十日目に、村の先生が、やっと
腹工合いがよろしくなりましたと言って、診察しにいらした。 先生は、お母さまのお....
「黴」より 著者:徳田秋声
を取っていた。始終胃を気にしていた彼は燻んだような顔をしながら、食べるとあとから
腹工合を気遣っていた。 すぐに婆さんに被せる夜の物などが心配になって来た。友達....
「獄中記」より 著者:大杉栄
他の囚人の苦情なぞはいっさい取りいれない。毎日半枚ずつ配ってくれる落し紙ですら、
腹工合が悪いからもう一枚くれと言っても、決して余計にくれたことはない。時には、い....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
然として少しも仕事が手につかず。 二十二日 同上。 二十三日 編輯終る。予は少々
腹工合を悪くした。 二十四日
腹工合甚だ変也 二十五日 とうとう下痢をやりだした....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と、こういうものがちょっとございませんぜ」 「要らない。さあお前たち、わしは少し
腹工合が悪いから、途中、飲物も食物も取らないつもりだ、通しでやろうとも、宿次ぎで....
「二つの家を繋ぐ回想」より 著者:宮本百合子
では、折角来られたものだから、せめて夕餐でも一緒にしたい。それには、自分(父)の
腹工合が悪いのをなおしてから。いずれ四五日うちに、と云うことになった。 始めか....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
は上等の待合室なんだよ、とどうでしょう……こうでございます。 人の胃袋の加減や
腹工合はどうであろうと、私が腑に落ちないと申しますのはここなんでございますが、そ....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
助の経験ではこの大麦の引割に適度の米をまぜて食うのが一番味がさっぱりとして、然も
腹工合に最もよいと思われる、水辺に住む者はやはり風土の関係で肥膏なる米食がよいか....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
荒れ切ってしまって。 あなたのおなか呉々もお大事に。国はどういう加減か、ずっと
腹工合がまともでない由です。食物のせいでしょうか。熱がお出にならないのは何よりだ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
らいのものではないでしょうか。栄さんは愛用者で十粒ぐらいずつのんでいるようです。
腹工合のさっぱりしないときは、すこしよけい、という風にしているようです。ビンに書....
「貸家探し」より 著者:林芙美子
ゃべっている。私はロースを註文してばさばさと飯をたべ始めたが、さっきの鍋焼きで、
腹工合《はらぐあい》はいっぱいだった。働いている女中は、みんな日本髪で、ずっこけ....
「古井戸」より 著者:豊島与志雄
て、昼間から井戸に冷しておいた西瓜を切らした。そしてそれを彼へも勧めた。 「一寸
腹工合を悪くしてますから。」 やっとのことで彼はそれだけ云って、黙って西瓜をか....
「挿話」より 著者:徳田秋声
言っていた。 彼女はあいにく二三日鼻や咽喉を悪くして、呼吸が苦しそうであった。
腹工合もわるいと言って、一日何んにも食べずに中の間で寝ていたが、昨夜|按摩を取っ....