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腹心
「腹心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腹心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
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縛り首にしろと云う命が出た事は、直《ただち》に
腹心の近習《きんじゅ》から、林右衛門に伝えられた。
「よいわ。この上は、林右衛門....
「或る女」より 著者:有島武郎
い出すようになると、倉地は朝から葉子の所で退校時間まで過ごすようになった。倉地の
腹心の仲間たちもちょいちょい出入りした。ことに正井という男は倉地の影のように倉地....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
中洛外に眼に立つほどの事どももないか」と、頼長はしずかに訊いた。 遠光は頼長が
腹心の侍で、宇治と京とのあいだを絶えず往来して、およそ眼に入るもの、聞こゆるもの....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
t《ケレット》" 全覆式《ケビン》オートジャイロの操縦者でタマス木戸という、彼の
腹心ともいう二世の青年がいたのである。折竹が、それに気付いたときの失意のさまとい....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
手におちて行く舞台の上の人々を哀れむ。」と。 大家は、東西両洋ともに、見る人を
腹心の友とする手段として、暗示の価値を決して忘れなかった。傑作をうちながめる人た....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
てをギャングの仕業らしく見せかけたわけだ。ケプナラも、頭巾をとりゃロングウェルの
腹心。へん、ご親友がお気の毒さまだったね」 「だが、どうして君は、それを知ったん....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
は――」 「博士、ドイツの話はもう沢山です。それで私のお願いは、ここに立っている
腹心の部下で、新たに毒瓦斯発明官に任じました燻精を一週間だけお預けいたしますから....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
いまちがえた。近頃の若い者は、熱心が足りない」 「老師、今日は十六日ですよ。余の
腹心の部下からの報告があったから、まちがいなしですわ」 「そんなことはない。醤ど....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
は蔭で、三人を操っていたのさ。それで、殺ったという電報があったので、すぐ、東京の
腹心の者に云いつけたのだよ。そりゃ、私のこったもの、似た換玉くらいや、印鑑なんぞ....
「マレー俳優の死」より 著者:岡本綺堂
いだでは、もっぱらこんな説が伝えられています。柔仏の王は自分の遺産を守るために、
腹心の家来どもに命令して、無数の毒蛇を墓の底に放して置いたのだろうというんです。....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
、……しかし、父上のあの高邁な「人格」はたとえどんな腹黒い奴等でも、たちどころに
腹心の家来にしてしまうよ。僕はそう信ずる。……ねえ、衛門、そうだろうが? 瓜生ノ....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
御免になっても老後の栄華、子孫の繁盛という事を考えて、江戸へ運び出す途中に於て、
腹心の者と申し合せ、幾度にも切って人を替え、時を変え、黒姫山麓に埋蔵したという筋....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
も、時誼によっては彼と闘わなければならない事情のもとに置かれている師冬は、すぐに
腹心の家来を呼んで何事をかささやいた。その家来がけわしい眼をして早々に立ち去るの....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
才なさがあるものだが、世事に馴れない青年や先輩の恩顧に渇する不遇者は感激して忽ち
腹心の門下や昵近の知友となったツモリに独りで定めてしまって同情や好意や推輓や斡旋....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
うという、流言で専らだった。エセックス自身も、おそらくそれを信じたであろう。彼は
腹心を集めて協議した。彼らには、このうえスコットランドの密使マアの到着を待ってい....