腹掛[語句情報] » 腹掛

「腹掛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腹掛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
ん》の書を繙《ひもと》ける二十四、五の壮佼《わかもの》あり。盲縞《めくらじま》の腹掛け、股引《ももひ》きに汚《よご》れたる白小倉の背広を着て、ゴムの解《ほつ》れ....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
め》は、それと見定めることは出来なかった。そして、腹に巻いてある金太郎のような、腹掛の黒さだけがちらついて、妙にその場の雰囲気を童話のようなものにしていた。けれ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
肩にぬいと立った魚屋は、渾名を(め組)と称える、名代の芝ッ児。 半纏は薄汚れ、腹掛の色が褪せ、三尺が捻じくれて、股引は縮んだ、が、盤台は美い。 いつもの向顱....
わが町」より 著者:織田作之助
の労働者を乗せて、マニラに入港したのは明治三十六年十月十六日であった。 股引、腹掛、脚絆に草鞋ばき、ねじ鉢巻きの者もいて、焼けだされたような薄汚い不気味な恰好....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
当の猫です。あとで僕はさわってみましたから、知っています。もっともこの仔猫は赤い腹掛《はらかけ》をしていましたがね」 「腹掛のせいじゃないでしょう、宙をふわふわ....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
、「やっぱりそうだ!」 「え?」と六人が同音に声を掛けたが首を延ばした。手甲脚半腹掛け姿、軽快至極の扮装《みなり》である。一同お揃いの姿である。 「桔梗様の持ち....
南地心中」より 著者:泉鏡花
捧げて従ったのは、特にお珊が望んだという、お美津の爺の伝五郎。 印半纏、股引、腹掛けの若いものが、さし心得て、露じとりの地に据えた床几に、お珊は真先に腰を掛け....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
そり帰って来たのが亭主の磯吉である。お源は単直前借の金のことを訊いた。磯は黙って腹掛から財布を出してお源に渡した。お源は中を査めて 「たった二円」 「ああ」 「....
巴里の秋」より 著者:岡本かの子
の帽や服の肩へ落ち重なるのも間のない事だ。 ハンチングを横っちょにかむり、何か腹掛けのようなものを胸に当てたアイスクリーム屋のイタリー人が、いつか焼栗売りに変....
露肆」より 著者:泉鏡花
一 寒くなると、山の手大通りの露店に古着屋の数が殖える。半纏、股引、腹掛、溝から引揚げたようなのを、ぐにゃぐにゃと捩ッつ、巻いつ、洋燈もやっと三分心....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
つ旅へでも出てみよう」……で鼓を風呂敷へ包み、そいつをヒョイと首っ玉へ結び、紺の腹掛けに紺の股引き、その上へ唐棧の布子を着、茅場町の自宅をフラリと出た。「東海道....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
弱った――これが蒔絵師で。……従って少年たちは、建具屋と鉄葉屋の弟子だから印半纏腹掛ででもいるか、と思うと、兀ちょろけた学生服、徽章無の制帽で。丸顔で色の真黒な....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ョンを作って総ての貧民を理想化して見ていた。 この見地からして二葉亭は無知なる腹掛股引の職人を紳士と見て交際し、白粉を塗った淪落の女を貴夫人同様に待遇し、渠ら....
わが町」より 著者:織田作之助
の労働者を乗せてマニラに入港したのは、明治三十六年十月十六日であった。 股引、腹掛、脚絆に草鞋ばき、ねじ鉢巻の者もいて、焼けだされたような薄汚い不気味な恰好で....
春泥」より 著者:久保田万太郎
倭一座の『日清戦争』の狂言に入用な臨時雇募集の広告だった。――その新聞をもらって腹掛のなかへねじこむとそのまゝ、空の盤台を引ッかつぎの……というのは、その日酷い....