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「腹案〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腹案の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
ったね。」 「ええ、お友達と作文の相談をしていたの。」 優しくも教頭のために、腹案があったと見えて、淀みなく返事をしながら、何となく力なさそうに、靴を脱ぎかけ....
自叙伝」より 著者:大杉栄
であるが、その飛ばした数回ことにこの一節の前回については、何をどう書こうかという腹案がまだちっともできていないのだ。ただ、しばらく怠けていたあとの筆ならしに、す....
I can speak」より 著者:太宰治
に依って知らされ、ま、こんなところかな? と多少、自信に似たものを得て、まえから腹案していた長い小説に取りかかった。 昨年、九月、甲州の御坂峠頂上の天下茶屋と....
続獄中記」より 著者:大杉栄
ことを、書き現して見たいと。 僕は自分の遠い過去のことを思い出してはこの創作の腹案に耽った。そしてそのかたわら、語学の稽古がてらに、原文のトルストイの『幼年時....
小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
不可能であり、馬鹿々々しいと思ったから、それらの全部を拒絶することにして、かねて腹案の長篇小説に没頭することにした。表面の状況はそうであるが、今にして思えば、精....
戯作者」より 著者:国枝史郎
云う据風呂桶 それはある年の大晦日、しかも夕暮のことであったが、新しい草双紙の腹案をあれかこれかと考えながら、雑踏の深川の大通りを一人馬琴は歩いていた。 と....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
れず、雑草の代表選手の行うところを、我自ら行って雑草どものドギモをぬいてやろうと腹案を立てていた。案内役の田川君には気の毒であるが、未だ夜の明けやらぬうちに神宮....
著作権の問題」より 著者:伊丹万作
することである。 右のうち、草案の内容については、私一個人としては相当具体的な腹案を持つているが、しかし、それを発表することは本稿の目的でもなく、また、それに....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
』の旧蹟は準史蹟として見てもイイかも知れない。 (『八犬伝』の地理学は起稿当初の腹案であったが、実地を踏査しなければ解らぬ個処が存外多いのですべて他日の機会に譲....
画道と女性」より 著者:上村松園
の上流婦人が、暮れかかる庭先の床几に掛けて、咲き乱れた萩の花を眺めている図、そう腹案を作ってちょうどその頃咲きかけた萩の花を写そうと、私は連日朝から高台寺に通い....
チェーホフ試論」より 著者:神西清
ら死の年に至るあいだの彼の覚え書の類を集めたものだが、その中にはヴォードヴィルの腹案や、その登場人物のための滑稽な作り名の考案が、殆ど一頁おきに出てくる。この『....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
稿が入用のよし。実は『帝文』をさきへ書いて然る後「猫」に及ぶ量見の処、此方が未だ腹案がまとまらず、どれをかこうか、あれにしょうか、これにしょうかと迷って居る最中....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
しかしてその内容、本編と相関するところきわめて多きがゆえに、余輩が本編起稿当初の腹案にては、詳細これに論及して、もって武士を夷ということの具体的証明を完からしめ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
しても真剣勝負の意気込になれなかった。 『浮雲』第三篇は作者の日記の端に書留めた腹案に由ると、お勢の堕落と文三の絶望とに終るのだが、発表されたものを見ると、腹案....
自来也の話」より 著者:岡本綺堂
目豊国である。 「児雷也豪傑譚」の初編の出たのは天保十年で、作者も最初から全部の腹案が立っていた訳でもないらしく、それが大当りを取ったところから、図に乗って止度....