腹立[語句情報] » 腹立

「腹立〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腹立の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
》に恋をしている。が、同時に憎んでもいる。あの女の多情な性質は、考えただけでも、腹立たしい。その上に、絶えずうそをつく。それから、兄や自分でさえためらうような、....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
田《どろた》へ蹴落《けおと》されたと云うことである。（註三） とにかく平四郎は腹立ちまぎれに伝吉へ斬りかけたのに違いない。伝吉は平四郎に追われながら、父のいる....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
妙に間の悪くなった彼は、こういう挨拶《あいさつ》とともに、自分に対する一種の腹立たしさを感じながら、とうとうこの好人物の愛読者の前を退却すべく、おもむろに立....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
、無愛想にこう問いかけた。云うまでもなく私には、彼の唐突な訪問が意外であると共に腹立しかった。と同時にまた別荘番が一言《いちごん》もこの客来《きゃくらい》を取次....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
れでも若殿様は晴々と、美しい歯を見せて御笑いになりながら、 「父上、父上、そう御腹立ち遊ばすな。牛飼めもあの通り、恐れ入って居《お》るようでございます。この後《....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
疑惑の晴れる事を恐れて、倉皇《そうこう》と俥に身を隠した私自身の臆病な心もちが、腹立たしく思われてなりませんでした。このもう一人の人物が果して三浦の細君だったか....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
な体に帰った時、どんなに私は私自身を浅間《あさま》しく思った事であろう。 私は腹立たしさと寂しさとで、いくら泣くまいと思っても、止《と》め度《ど》なく涙が溢《....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
んですから、あちらの御新造に見つかったが最後、反《かえ》って先様《さきさま》の御腹立ちを煽《あお》る事になるかも知れますまい。そんな事があっては大変ですから、私....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
間や事件が恨めしかった。それからどうしてもこの世界と別れなければならない彼自身が腹立しかった。それから――こんな種々雑多の感情は、それからそれへと縁を引いて際限....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
すが》り申すばかりでございます。」 観世音菩薩！ この言葉はたちまち神父の顔に腹立たしい色を漲《みなぎ》らせた。神父は何も知らぬ女の顔へ鋭い眼を見据《みす》え....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
翁《でんしゃおう》の一人だったのである。こう思った本間さんは、可笑《おか》しさと腹立たしさと、それから一種の失望とを同時に心の中で感じながら、この上は出来るだけ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
真昼の夢を突嗟《とっさ》の間《あいだ》に打ち砕いてしまった。彼は眠を破られた人の腹立たしさを感じながら、柏の下に草を敷いた林間の空き地へ眼を落した。するとそこに....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
だけに、一層戦友の言葉は、ちょうど傷痕《きずあと》にでも触《ふ》れられたような、腹立たしい悲しみを与えたのだった。彼は凍《こご》えついた交通路を、獣《けもの》の....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ありがた》い難有いとこう云うた。」 「そんな事をおっしゃっては、いくら少将でも御腹立ちになりましたろう。」 「いや、怒《おこ》られれば本望じゃ。が、少将はおれの....
「初雪」より 著者:秋田滋
には、自分は病気になって、咳をしなければいけないのだろうか。そう思うと彼女は急に腹立たしい気になった。弱い内気な人間のはげしい憤りである。 自分は咳をしなけれ....