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腹腔
「腹腔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腹腔の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
くるものは外になかろうと思われます。すると、あの時の鵜飼はどうだったでしょうか。
腹腔《はら》が岩片に潰されてしまって、その無残な裂け口から、幾重にも輪をなした腸....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
膜が、相当強靭なものもあるのですよ」 「なるほど」 と法水も頷いたが、 「全く
腹腔内の異物が、こんな所に散乱しているなんて、実に薄気味悪い話です。けれども、そ....
「カズイスチカ」より 著者:森鴎外
かも知れないと云って、針を刺してくれなかったと云うのです」 「それじゃあ腹水か、
腹腔《ふくこう》の腫瘍かという問題なのだね。君は見たのかい」 「ええ。波動はあり....
「俘囚」より 著者:海野十三
った金が、五十円と纏《まとま》っていなかった。この上は、夫の解剖室に入って屍体の
腹腔《ふくこう》までを調べてみなければならなかったが、あの部屋だけは全く手を出す....
「生きている腸」より 著者:海野十三
》はどの囚人のものでもなかったのである。 「生ける腸《はらわた》」はいったい誰の
腹腔から取り出したものであろうか。 それは○○刑務病院につとめていた二十四歳の....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
液を採集する実験を見かけますが、貴方は生物学と外科とにすぐれた頭脳と腕とで、蟒の
腹腔に穴をあけ、その消化器官の液汁を、丹念に採集したのです。それは周到なる注意で....
「蠅男」より 著者:海野十三
下ドクトルは、糊本の手足を、惜し気もなく電気メスで切断した。そればかりではない。
腹腔をたち割って、腸を三分の一に縮めた。胃袋はすっかり取り去られて、食道と腸とが....
「ねずみと猫」より 著者:寺田寅彦
音に伴う一種の振動は胸腔全部に波及している事がさわってみると明らかに感ぜられる。
腹腔のほうではもうずっと弱く消されていた。これは振動が固い肋骨に伝わってそれが外....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
せた。肉は、まだほんのちょっぴり博士の口に入ったばかりであったが、その切り取った
腹腔のところから、なにやら異様に燦然たる黄金色のものが光ってみえるではないか。そ....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
のままに放置して、今度はまた元のように、屍体の脇に位置を移した。これからいよいよ
腹腔にかかるのだということが分った。その辺で一度大きな呼吸をしてみたくなった。 ....