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「腹膜炎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腹膜炎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
くわかりました。無論十二指腸の潰瘍《かいよう》です。が、ただいま拝見した所じゃ、腹膜炎を起していますな。何しろこう下腹《したはら》が押し上げられるように痛いと云....
或る女」より 著者:有島武郎
つしゃ》の不注意から子宮底に穿孔《せんこう》を生じた時などには、往々にして激烈な腹膜炎を結果する危険が伴わないでもないなどと書いてあった。葉子は倉地に事情を打ち....
さようなら」より 著者:田中英光
の記憶もきれいに抹殺されている。 二年経ち、中学一年の春、五十三歳の父が結核性腹膜炎で、アッという間に死んだ。癇癪持で酒乱の父に兄や姉は叱られた怖い思い出ばか....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
》いた。救世軍はこの時太鼓を敲《たた》いて市中を練り歩《あ》るいている。病院では腹膜炎で患者が虫の気息《いき》を引き取ろうとしている。露西亜《ロシア》では虚無党....
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
べ》って胃の腑《ふ》に落ち込む危険を恐れた。余は天井《てんじょう》を眺めながら、腹膜炎を患《わず》らった廿歳《はたち》の昔を思い出した。その時は病気に障《さわ》....
河明り」より 著者:岡本かの子
けのした具合いで床につき勝ちになり、それから四年目の木下が十三歳、娘が五つの年に腹膜炎で死んだ。 そのとき木下の母親の遺言はこうであった。 「ここの家のお内儀....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
に甥を睨んだ叔父は、其筆の軸で甥の頬をぐっと突いた。甥は声を立てゝ泣いた。其甥は腹膜炎にかゝって、明くる年の正月元日病院で死んだ。屠蘇を祝うて居る席に死のたより....
落第」より 著者:夏目漱石
分大騒ぎだった。それがだんだん進歩して現今の高等学校になったのであるが、僕は其時腹膜炎をやって遂々《とうとう》二級の学年試験を受けることが出来なかった。追試験を....
幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
不意に来診してきた。順造はどきりとした。医学士は腹部の診察だけをした。 「結核性腹膜炎です。」 思いもつかない病名に、順造はただ医学士の顔を見守った。医学士は....
山吹の花」より 著者:豊島与志雄
通じてくる……。 綾子が病床にある時のことだった。二月の半ばから寝ついて、軽い腹膜炎とのことだったが、それがなかなか癒らなかった。初めはおとなしく寝ていたが、....
氷河」より 著者:黒島伝治
、よう/\栗本に気がついたらしかった。が二人の間には、膝から下を切断し、おまけに腹膜炎で海豚のように腹がふくれている患者が担架で運んで来られ、看護卒がそれを橇へ....
光は影を」より 著者:岸田国士
にお伝えすること、忘れちまつて……」 「あゝ、そう……。こじらしたつていうのは、腹膜炎でも起したのかな」 「さあ、はつきりは伺わなかつたんですけれど、微熱がとれ....
安死術」より 著者:小酒井不木
って功徳になるか知れないではあるまいか。と、考えるのが常でありました。実際、急性腹膜炎などの患者の苦しみ方は、到底見るに堪えぬほど悲惨なものであります。寝台の上....
雪柳」より 著者:泉鏡花
」 「いずれ、運動不足や、そりゃようないに。が、けど何でもない事や。肋膜、肺炎、腹膜炎、神経痛、胸の病、腹、手足の病気、重い、軽い、それに応じて、施術の法があっ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
十郎張りであるという好評で、やがては大立者となるべき鷹揚な芸風であったのを、急性腹膜炎のために四十七歳で死なせたのは残念であった。 わずか三月経たない間に、黙....