腹這い[語句情報] » 腹這い

「腹這い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腹這いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んで行った。門前の溝《どぶ》が空溝であることを知っている彼は、狗《いぬ》のように腹這いながらそっとその溝へもぐり込んで、駒寄せの石のかげに顔をかくして、二人の立....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
そう思いながら歩いてくると、ある寺の土塀に沿うた大きい溝のふちに、ひとりの少年が腹這いになっているのを見た。少年は十三四歳の小坊主で、土のうえに俯伏《うつぶ》し....
奴隷根性論」より 著者:大杉栄
なって、額を地につけて、頭と肩とに砂を被る。イシニー族もやはりまず着物を脱いで、腹這いになって、這いながら口へ砂をつめる。 クラツバートン氏によれば、氏がカト....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れた琉球畳が敷かれていて、湿っぽいような黴臭いような匂いが鼻にしみついた。半七は腹這いになって古畳の匂いをかいだ。 「松。おめえも嗅いでみろ。酒の匂いがするな」....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ているのですよ。はあ……」 と独で頷いて、大廻りに卓子の端を廻って、どたりと、腹這いになるまでに、拡げた新聞の上へ乗懸って、 「何を話していたのだい。」 教....
ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
枚外して天井裏にもぐりこんだ。それから、厳重なしまりのある隣室と思われる方向へ、腹這いになってすすんでいったが、電線のようなものに、片手を挟まれた拍子に懐中電灯....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
ずれが、ひそひそと耳にささやくように聞える。小初はまたしても眠くなった。 薫は腹這いから立ち上った。腰だけの水泳着の浅いひだから綺麗な砂をほろほろ零しながらい....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
頬張りました。頬張るあとから、取っては食い、掴んでは食うほどに、あなた、だんだん腹這いにぐにゃぐにゃと首を伸ばして、ずるずると鰯の山を吸込むと、五|斛、十斛、瞬....
縁結び」より 著者:泉鏡花
よ。 その後、晩方の事だった。私はまた例の百人一首を持出して、おなじ処を開けて腹這いで見ていた。その絵を見る時は、きっと、この※さんは誰? と云って聞くのがお....
」より 著者:池谷信三郎
らと広い寝台を据え、黒い、九官鳥の籠を吊そうと思っています。 私は、寝台の上に腹這い、頬杖をつきながら、鳥に言葉を教えこもうとおもうのです。 君は幸あふれ....
五色蟹」より 著者:岡本綺堂
ので、遠泉君はひと寝入りしたかと思うと眼がさめた。襟ににじむ汗を拭いて蒲団の上に腹這いながら煙草を吸っていると、となりに寝ていた本多も眼をあいた。 「いやに暑い....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
湿れていた。 「ああ気味が悪い。」 彼女は寝衣の袂で首筋のあたりを拭きながら、腹這いになって枕辺の行燈の微な灯かげを仰いだ時に、廊下を踏む足音が低くひびいた。....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
て、あんぐりと口を開けた。 瓜畑を見透しの縁――そこが座敷――に足を投出して、腹這いになった男が一人、黄色な団扇で、耳も頭もかくしながら、土地の赤新聞というの....
式部小路」より 著者:泉鏡花
してお聞かせなさいよ、ええ、おかみさん。」 早やいつの間にか自堕落に、板の間に腹這いになった。対手がソレ者と心安だてに頤杖ついて見上げる顔を、あたかもそれ、少....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
逃がすものか、跳ねるなら跳ねて見ろ」って、威張りましたよ。旦那が、後で、「お前が腹這いになった時の様子っては無かった。鱸と心中する積りだったのだろう」って、お笑....