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腺
「腺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
を糊塗《こと》する訳にも行かなかった。
「あの女は看護婦でね、僕が去年の春|扁桃
腺《へんとうせん》を煩《わずら》った時に――まあ、そんな事はどうでも好い、とにか....
「星座」より 著者:有島武郎
もないので、両方の中指を眼がしらのところにあてて、俯向《うつむ》いたままじっと涙
腺を押えていた。
渡瀬さんはしばらくぼんやりしていたが、きゅうに慌てはじめたよ....
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
す。髪《かみ》はまだ下《おろ》さないで、金襴《きんらん》、染絹《そめぎぬ》の衣、
腺病質《せんびょうしつ》のたちと見え、透《す》き通るばかり青白い肌《はだ》に、切....
「競馬」より 著者:織田作之助
んしん》したのかと乳首を見たが黒くもない。何もせぬのに夜通し痛がっていたので、乳
腺炎《にゅうせんえん》になったのかと大学病院へ行き、歯形が紫色《むらさきいろ》に....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
室内をゴトゴト歩きまわっていた。 女大臣は電波化粧台の前にすわって、自分の分泌
腺をしきりと刺戟しながら、執拗にもミルキ閣下に話しかけた。 「閣下はいまにわたし....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
まで、内部を見せたくない装置なんです」 「論文の標題は?」 「ニシキヘビの内分泌
腺について――というのです」 そこへドヤドヤと、警官と園丁との一団が鴨田研究員....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たのである。
一、ダ□□ベ□□□□□砒石の□□□□。
一、川那部□□□□、胸
腺死の危□□□□。
(特異体質の箇条は、その二つにのみ尽きていて、それ以前のもの....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
健康その他 結婚以来、これという病気はしないが、娘時代肺門淋巴
腺を冒されたことがあるので少し過労にわたると、よく「背中が熱くなる」ことを訴える....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
面の頸の長い十六の娘で、その四肢は、佝僂のそれのように萎え細っていた。 全体が
腺病的で神経的で、なにかの童話にある王女のように、花の雨でも降れば消え失せるので....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
ゃありませんか。そこに、この老人の衝撃死の原因があったのですよ。御覧のとおり、胸
腺淋巴体質というやつは、衝撃には恐ろしく、鋭敏ですからな。もっとも、衝立の蔭で、....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
この女にはたしか、絶命するまで意識があったに違いないのだ。だから、もし解剖して、
腺に急激な収縮を起すような毒物が証明されない日には、恐らく浄善は、その間人間最大....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
に及ばないような防ぎを心に用意した。 かの女の家は元来山の手にあるのだったが、
腺病質から軽い眼病に罹り、大学病院へ通うのに一々山の手の家から通うのも億劫なので....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
記録だ。私も女にしては頭が大きい。六七歳から十二三歳までの聖者は物覚えが好くて、
腺病質らしく、ときどき無常を感ずるような素振りがある。しかし、これは有名な仏者の....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
長生きはしないだろうと私も諦めております。どいつもこいつも青白い顔をして、リンパ
腺は腫れ上る、咳はする、毎日医師に診てもらう、私はほんとに大阪の空が呪わしく思い....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
御体格で、失礼ながらお色はお白い方ではいらっしゃいません。それですのに、達也様は
腺病質で皮膚が青白く滑っこい、それにもう一つ、これだけは永久に秘密を守ろうと決心....