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膏肓
「膏肓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
膏肓の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「謡曲黒白談」より 著者:夢野久作
れのない発作症状を今現わしているところなのである。謡曲中毒もここまで来ると既に病
膏肓に入ったというもので、頓服的忠告や注射的批難位では中々治るものでない。丁度モ....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
じゅんしょく》するものだ。通人の話に、道楽の初は唯|色《いろ》を漁《ぎょ》する、
膏肓《こうこう》に入《い》ると、段々贅沢になって、唯|色《いろ》を漁《ぎょ》する....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》められたる不貞の女の憎み、憎む女の肉を食《くら》い、骨を削りたくなるのは、彼の
膏肓《こうこう》に入れる病根であるかも知れない。竜之助は、金蔵を斬ったこの刃で、....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
百事の失敗に撃たれて脳の病《やまい》を惹《ひ》き起し、最後に出京せし頃には病既に
膏肓《こうこう》に入りて、ほとんど治《じ》すべからざるに至り、時々《じじ》狂気じ....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
たが、そのじつ為十郎となって、未だに生きていたのだ。 と云うのは、阿片食も病い
膏肓に入ると、昇汞を混ぜなければ、陶酔ができなくなる。だから、そこへ昇汞をどんな....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
された海藻の書物には、みな一つとしてこの誤謬を犯していないものはない。どうも病が
膏肓《こうこう》に入っては大医も匙を擲たざるをえないとはまことに情けない次第だ。....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
消沈した痕が見えないで相変らずの博引旁証をして気焔を揚げておる。馬琴の衒学癖は病
膏肓に入ったもので、無知なる田夫野人の口からさえ故事来歴を講釈せしむる事が珍らし....
「友情に関係あるエッセイ」より 著者:戸坂潤
が事実、私の例の気がかりは、妄想の性質を次第に重加して行くらしい。この病は次第に
膏肓に入りつつあるようだ。何となれば遂に私は一人の親友が気がかりになり出したから....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
からず」との結論に達したのであった。勿論あの国土厖大な支那、しかも歴史は古く、病
膏肓に入った漢民族の革命がしかく短日月に行なわれないのは当然であり、私どもの判断....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
けない、ぼんやりぼんやりでおけ、つまりいいかげんにしておけということです。それが
膏肓にはいってやりっぱなしになり、どうでもいいやということになっておる。これを先....