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膏血
「膏血〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
膏血の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
の華だという! そうであろう、そうであろう。ただしその花は血に咲いた花だ! 民の
膏血に咲いた花だ! なんと卜伝、そうではあるまいかな」 蔵人は尚も云いつづけた....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
い》に散ず、その蛻骨の時に遇えば生竜のごとし、あるいはいわく竜常にこの処に闘う、
膏血《こうけつ》流水のごとしと。『述異記』に曰く、普寧県に竜葬の洲《す》あり、父....
「挿絵と闘った話」より 著者:夢野久作
つに取組むと同時に、こうした自己の内部のものと必死に取組み合って、蒼白い、必死の
膏血を滴らし続けていることがその絵によって窺われますから……。 小柄な、真剣な....
「食堂」より 著者:森鴎外
を一纏めに敵にする。無辜の犠牲とはなんだ、社会に生きているものに、誰一人労働者の
膏血を絞って、旨い物を食ったり、温い布団の上に寝たりしていないものはない。どこへ....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
華版は、何の力によって招来したのかといえば、これすべて、一億に近いイネ州の人民の
膏血によって、もたらされたものであった。 そのころ、舞台では、当日の大呼び物で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りますが、私から言わせますと、このくらい違った迷信はないものと存じまする。他人の
膏血《こうけつ》による富を積んで、己《おの》れが安楽に暮さんとする、その安楽が、....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
てある。そしてその包紙に下のごとくいたずら書きをした。 社会において吾人平民の
膏血を吸取するものは、すなわちかの紳士閥なり。監獄において吾人平民の
膏血を吸取す....
「程よい人」より 著者:豊島与志雄
しの仕事を単にビジネスとして考えている。本来そうであるべきだと、私も思う。相手の
膏血を絞るというような結果は、借り手の参謀から起ることだ。金融が極端に緊縮されて....
「処女の木とアブ・サルガ」より 著者:野上豊一郎
、その他、ユダヤの各地に城塞を築いたりして、それがためには苛斂誅求をやって人民の
膏血を絞ることを厭わなかった。それでも人民は彼の気ちがいじみた性格に恐れをなして....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
、さらに多くの男が泣くであろう、とか、田中家の財産は代々の罪の集積であり、農民の
膏血をしぼって得られたものであり、それへの反感であった、とか、彼の右腕は世間を欺....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
てしまった。石責めにあって殺されたのだったが、それというのも彼が、町じゅうの人の
膏血をしぼり上げたイカサマ銀行家の死顔に、「神と物語る至福の表情」を与えたからで....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
るぞ。まあ待て。 隊一 天狗党の挙兵を何だと思うているかッ! 貴様達如き民百姓の
膏血を絞って生きている大小の鬼畜を亡ぼすための挙じゃぞ。第一その因業そうなガン首....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
るぞ。まあ待て。 隊一 天狗党の挙兵を何だと思うているかッ! 貴様達如き民百姓の
膏血を絞って生きている大小の鬼畜を亡ぼすための挙じゃぞ。第一その因業そうなガン首....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
斧を揮え、矛もてるもの矛を揮え、汝らが鋭き剣は餓えたり汝ら剣に食をあたえよ、人の
膏血はよき食なり汝ら剣にあくまで喰わせよ、あくまで人の膏膩を餌えと、号令きびしく....
「脚」より 著者:吉川英治
、四斤砲一発、いくらという値を知ってから、どかあん、という音を聞くと、自分たちの
膏血がぶッぱなされるように、気がひけた。 武器の購入は、年々、莫大な額だった。....