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膝
「膝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
膝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
《お》りたりする玩具の猿を眺めている。玩具屋の店の中には誰も見えない。少年の姿は
膝の上まで。
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綱を上ったり下りたりしている猿。猿は....
「影」より 著者:芥川竜之介
ていた。
壁際《かべぎわ》の籐椅子《とういす》に倚《よ》った房子《ふさこ》は、
膝の三毛猫《みけねこ》をさすりながら、その窓の外の夾竹桃へ、物憂《ものう》そうな....
「河童」より 著者:芥川竜之介
人である。彼の半生の経験は、――いや、そんなことはどうでもよい。彼はただじっと両
膝《りょうひざ》をかかえ、時々窓の外へ目をやりながら、(鉄格子《てつごうし》をは....
「彼」より 著者:芥川竜之介
ットなどを持ち、彼のいる書生部屋へ見舞いに行った。彼はいつも床《とこ》の上に細い
膝《ひざ》を抱《だ》いたまま、存外《ぞんがい》快濶《かいかつ》に話したりした。し....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
いていた。蘭袋もこの言葉を聞いた時には、涙が抑えられないようであった。しかし彼は
膝を進ませると、病人の耳へ口をつけるようにして、「御安心めされい。兵衛殿の臨終は....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
にメリヤスの襯衣《シャツ》へ、太い腕を通し始めた。お蓮は自堕落《じだらく》な立て
膝をしたなり、いつもただぼんやりと、せわしなそうな牧野の帰り仕度へ、懶《ものう》....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
内蔵助良雄《おおいしくらのすけよしかつ》は、その障子を後《うしろ》にして、端然と
膝を重ねたまま、さっきから書見に余念がない。書物は恐らく、細川家の家臣の一人が借....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
な病気じゃないと思っていたんだよ。」
洋一は長火鉢の向うに、いやいや落着かない
膝《ひざ》を据えた。襖《ふすま》一つ隔てた向うには、大病の母が横になっている。―....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
行った。
「おい、はいる気かい?」
「だってせっかく来たんじゃないか?」
Mは
膝ほどある水の中に幾分《いくぶん》か腰をかがめたなり、日に焼けた笑顔《わらいがお....
「運」より 著者:芥川竜之介
《あまほうし》でございました。しかも娘の思惑《おもわく》を知ってか知らないでか、
膝《ひざ》で前へのり出しながら、見かけによらない猫撫声《ねこなでごえ》で、初対面....
「狂女」より 著者:秋田滋
た。そうこうしているうちに、もう例の将校が這入って来てしまった。老女はそこで彼の
膝にとり縋って、泣かんばかりにこう云った。 「奥さんは起きるのがお厭なんです。旦....
「初雪」より 著者:秋田滋
のまま先を読むのを止めてしまった。そして、手紙を持っている右の手は、静かに静かに
膝の上へ垂れて行った。一方、彼女はその左の手を、胸をひき裂くかと思われる、頑強な....
「寡婦」より 著者:秋田滋
れていたのです。 また、その子はよく、夕食のあとで、私の母のそばへ行って、その
膝のうえに乗って、こんなことを云うのでした。 「ねえ、伯母さま、恋のお話をして下....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の猛々しいライオンが、おおらかな気持ちで、羊をだいてやったように、彼はよく子供を
膝にのせ、何時間もぶっつづけに足で揺り籠をゆすったものだった。 ほかの仕事に加....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
が、ジャンは、芸を仕込まれた牝山羊や軽業をする犬にとり囲まれて、年老った道化師の
膝にのって、声をたててキヤッキヤッ笑っていた。 それから三日たって、夕餉の時刻....