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膝を折る
「膝を折る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
膝を折るの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
走りよって、さっと左右から障子を押し開いた刹那、――ぺたぺたと崩れ伏すように影が
膝を折ると消え入るような声で言った。 「おそなわりまして厶ります……」 ....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
人よりあるいはわが衷なるあるものよりわが非を示されて、われとわが良心の前に悔悟の
膝を折る時なり。灸所を刺せば、猛獣は叫ぶ。わが非を知れば、人は怒る。武男が母は、....
「現代史の蝶つがい」より 著者:宮本百合子
いて婦人のもたなければならない自覚をもてと云われるなら、それは、政治の事大主義に
膝を折ることではなくて、小さいながらまともな種《たね》をより出して、それを成長さ....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
ップ氏に対しても決して大人とは云わないこと、印度人が、自らを卑くして駱駝のように
膝を折る、あれがチャンドの雰囲気にはないのだ。 やがて、イギリス嫌いの僕は、こ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
てからまだ笑ったことがないという苦ッ面の眉間に竪皺《たてじわ》をよせてムンズリと
膝を折ると、 「寝ていたわけじゃアありません、泣いてたんでございます。実ァ……」....
「おせん」より 著者:邦枝完二
…」 「では遠慮なしに、通してもらいましょうか。……のう太夫」 座敷へ上って、
膝を折ると同時に、春信の眼は険しく松江を見詰めた。 「今更あらためて、こんなこと....
「本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
さを感じるのである。沖縄でも屍体を蒲葵《くば》の縄で縛り埋めたが、硬直せる屍体の
膝を折ることなどもあって、実に惨たらしいものであったと聴いている。 それでは何....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
た。俊基がその辺に腰をおろすと、菊王は万一を警戒してか、ひたと主人の脇にちかく片
膝を折る。そして左の片手を太刀の鯉口に忍ばせておく身構えも忘れなかった。 「さ。....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
れきり次のことばもなくはらはらと落涙してしまった。 やがて、そっと戸板の枕元へ
膝を折ると、さしのぞいて、 「おわかりか。前田又四郎でござる。利家でござる。――....