»
膠
「膠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
膠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
な気の弱い精力の足りない男に過ぎなかった。筆一本握る事もせずに朝から晩まで葉子に
膠着《こうちゃく》し、感傷的なくせに恐ろしくわがままで、今日《こんにち》今日の生....
「或る女」より 著者:有島武郎
まで残っていた。しかしその花べんは存分に霜にしいたげられて、黄色に変色して互いに
膠着《こうちゃく》して、恵み深い日の目にあっても開きようがなくなっていた。そんな....
「星座」より 著者:有島武郎
座に答えた。父はむっとしたらしかったが、やがてしいて言葉を和らげながら、
「そう
膠《にべ》なくいっては話も何もできはしないがな。浅田さんのいうとおり、年のところ....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
「どうぞその後を、それから。」と聞く身には他事をいううちが牴牾《もどか》しく、
膠《にべ》もなく続きを促《うなが》した。
「さて、夜も更《ふ》けました、」といっ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
口。月に露添う顔を見て、主税もはらはらと落涙する。 「世迷言を言うなよ。」 と
膠もなく、虞氏が涙を斥けて、 「早瀬どうだ、分れるか。」 「行処もございません、....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
暮しの中に、一日でも安きを偸もうとしているのだ。これが社会生活に強い惰性となって
膠着している。そういう生活態度に適応する為めには、お前のような行き方は大変に都合....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ス特に炭水化合物や酸化炭素の一部が凝縮する、そうして滴粒が互いに衝突するとそれが
膠着してしまう。このようにして滴粒から次第に隕石に成長し、そうして空間中の旅を続....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
った。戦争の後ですから惨忍な殺伐なものが流行り、人に喜ばれたので、芳年の絵に漆や
膠で血の色を出して、見るからネバネバしているような血だらけのがある。この芳年の絵....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
下へ投込まれる事になりますものな。」 「そうですとも。そうなった日には、足の裏を
膠で附着けておかねばなりません。 何ともないから、お騒ぎなさるなと云っても、村....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
かったでございますれども、御老体が飛んだ苦労をなさいましたのは……夜具部屋から、
膠々粘々を筋を引いて、時なりませぬ蛞蝓の大きなのが一匹……ずるずるとあとを輪取っ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
荒い格子に引いたものだった。しかしもう隅々には薄汚いカンヴァスを露していた。僕は
膠臭いココアを飲みながら、人げのないカッフェの中を見まわした。埃じみたカッフェの....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ですかな。あるいは、あなた方、先生の教えは、芸に熱して、男女間は淡泊、その濃密|
膠着でなく、あっさりという方針ででもおあんなさるか、一度内々で、と思った折でもあ....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
を逆に取りて、巌の天井にひたとつけたり。扶け下ろすに、髪を解けば、ねばねばとして
膠らしきが着きたりという。もっともその女|昏迷して前後を知らずとあり。 何の怪....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
来たが一杯どうじゃ、またぐっと力が着くぜ。」 「何にも喰べられやしませんわ。」と
膠の無い返事をして、菊枝は何か思出してまた潸然とするのである。 「それも可いよ。....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ってもう一杯、今度は私も頂くよ。) 善は急げで立ちかかると、愛吉、前へ立って、
膠が放れたようだったが、どどどど、どんというと四五段|辷り落ちた。 (危い、) ....