膠質[語句情報] » 膠質

「膠質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

膠質の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
母子叙情」より 著者:岡本かの子
のを隠しているようだった。心に臆したものがあって、そういう他人と深い交渉をつける膠質の感情は、はじめからこの男には芽も無いらしい。 大広間一面のざわめきが精力....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
差が、この黒鏡に映るといっそう決定的になってしまうのですが、一方実際問題として、膠質の絵具では全体にわたって眩耀が起らねばなりません。しかし、色調を奪って、その....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
ではなくて、人間にいちばんだいじな酸素と窒素の混合物で充填され、そうしてあらゆる膠質的浮游物で象嵌された空間の美しさである。肺臓いっぱいに自由に呼吸することので....
春六題」より 著者:寺田寅彦
しているものもある。化学的の分析と合成は次第に精微をきわめて驚くべき複雑な分子や膠質粒が試験管の中で自由にされている。最も複雑な分子と細胞内の微粒との距離ははな....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
まつ》の涼味を落として行くような気がする。これは化膿しないためだと言うが、墨汁の膠質粒子《こうしつりゅうし》は外からはいる黴菌《ばいきん》を食い止め、またすでに....
俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
ば自然の風物にわれわれの主観的生活を化合させ吸着させて自然と人間との化合物ないし膠質物を作るという可能性である。これがなかったらこの魔術は無効である。しかしこれ....
認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
は認識の具体的内容ということに他ならない。認識とは、歴史的社会に於ける生産機構の膠質物である上部構造としての文化を指向するもので、就中それが一定の相対的な独自性....
喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
煙にしたようなものである。こういう煙に関して研究すべき科学的な問題が非常に多い。膠質化学の方面からの理論的興味は別としても実用方面からの研究もかなり多岐にわたっ....
食道楽」より 著者:村井弦斎
なし、そのまま型に入れて冷しおけばゼラチンを用いずとも羊羹になるなり。梅の皮には膠質多きもの故梅を皮ともにながく煮れば自ら凝結する性あり。 第二百 菓物《く....
イギリス海岸」より 著者:宮沢賢治
す。 「どうしてこの環《わ》、出来だのす。」 「この出来かたはむずかしいのです。膠質体《こうしつたい》のことをも少し詳《くわ》しくやってからでなければわかりませ....
食道楽」より 著者:村井弦斎
天《かんてん》を使うと消化が悪くって病人に食べられないけれどもゼラチンは薬に使う膠質《にかわしつ》でお腹《なか》へ往《い》くと直《すぐ》に溶けるから病人にも食べ....
寺田先生の追憶」より 著者:中谷宇吉郎
な熱的条件の均衡と、土質の特異性とによるものなのである。それは広い意味での低温|膠質《こうしつ》物理学の重要な課題の一つなのであって、そういうことも、実は近年に....