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膨らみ
「膨らみ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
膨らみの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
の二階の屋根にすこし膨れたところがある。鳥渡見たくらいでは別に気がつかないほどの
膨らみだ。トランシットでビルディングの上から仔細に観察してみると、その膨れた屋根....
「蠅」より 著者:海野十三
じた。と思ったら私の身体はもうブツブツ膨れはじめた。シャボン玉のように面白いほど
膨らみ始めた。 あの親蠅はと見ると、先程に比べてなるほど小さく見えだした。これ....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
覚えがないのに、このように姙娠してしまったのである。乳首は黝ずみ、下腹部は歴然と
膨らみ、この節ではもう胎動をさえ感ずるようになった。婦人科医の診断もうけたが紛れ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
新鮮で濃情な草樹の息づかいであろう。緑も樺も橙も黄も、その葉の茂みはおのおのその
膨らみの中に強い胸を一つずつ蔵していて、溢れる生命に喘いでいるように見える。しど....
「河明り」より 著者:岡本かの子
かに似てるからじゃありません?」と云った。 この橋から間もなく、河口の鵜の喉の
膨らみのようになっている岸に、三層楼の支那の倉庫店がずらりと並び、河には木履型の....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
たり小さくなったり自由自在に延び縮みする、大きく渦を巻く時は、小四郎の胸も大きく
膨らみ、ハッハッハッハッと気が急き立ち、絶壁から深淵を見下した人がその深淵に誘惑....
「都会地図の膨脹」より 著者:佐左木俊郎
地は黒い雲のように、青い耕地の上へ、日に日に幅広く這出した。 そしてこの黝んだ
膨らみの中で、嵐のような叫び声がひっきりなく続き、市街地は耕地の真中へと千切れて....
「獏鸚」より 著者:海野十三
のような洋装の少女だった。年齢の頃は二十二三と見たが、いい体をしているのだ。胸の
膨らみだの、腰のあたりの曲線などが、男を引きつけずには居ないという悩ましい女さ。....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
れ、そのはだけた襟の間からは、砂埃りに色のついた――だがムッチリした可愛いい胸の
膨らみが、すこしばかり覗いていた。ミチミも随分苦労したらしい。 「ミチミ――」 ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
よって、大事ないえ。」 と袖の中にて手を引けば、内懐の乳のあたり、浪打つように
膨らみたり。 「婦の急所で圧えておく。……乳|銜えられて、私が死のうと、盞の影も....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
力が高まって水銀が収縮します。収縮すれば鉄の針との接触がはなれて、もとの大きさに
膨らみ、膨らめば針に触れて再び電気が起って縮み、かくて同じ運動を律動的に繰返し、....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ばならなかった。家橘は五代目菊五郎の弟で、今の羽左衛門の父である。面長の、しかも
膨らみのある顔で、調子も“鳩ぽっぽ”と綽名されていたような含み声であったが、和事....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、このぉすばらしさは。」と庄亮がいった。 そうしてその一頭の長い額を叩き、頬の
膨らみから頤の毛並を軽く軽く撫で擦った。馬は眼を細め、薄あかい歯茎をむき出し、顫....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
る。人類の善行者たちも自分の豊かな力に傲りはしない。もしも重い〔〕睫毛の下に涙が
膨らみ溜るならば、それが溢れ出ないように、つよい勇気をもってこらえよ。通る径があ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
右に拡張して、全山の重量が横にはみ出そうとしている。それを太い青竹を撓めたような
膨らみを持った弾力ある曲線でグッと引きしめ、彼と是との力が平均し融合すると共に、....