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膨れる
「膨れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
膨れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「門」より 著者:夏目漱石
》みと云いながら、大きな護謨風船《ゴムふうせん》を膨《ふく》らましている。それが
膨れると自然と達磨《だるま》の恰好《かっこう》になって、好加減《いいかげん》な所....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
ポ、ポ、ポッ」 ああ、警笛だ。紛れもなく、上り電車の警笛だ。次第次第に、叫音は
膨れるように大きくなってくるではないか。彼は墜落するように階段を駆けくだった。そ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
めに白身の軽い肴を煮ていると、復一は男ながら母性の慈しみに痩せた身体もいっぱいに
膨れる気がするのであった。 しかし、その歳|孵化した仔魚は、復一の望んでいたよ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
たが、何分にも紙を貼ったものであるから傷み易い。水などを零すと、すぐにぶくぶくと
膨れる。そんな欠点があるので、これもやがて廃れました。それでもまだ小机やチャブ台....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
えねえ。またしても口を揃《そろ》えて高笑い。――あんまりだから、いい! とお勢は
膨れる。けれど、膨れたとて、機嫌《きげん》を取られれば、それだけ畢竟《つまり》安....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
こわ》れて行った。雪どけ水は八方からごうごうと流れ込んだ。川は膨《ふく》れるだけ
膨れる。氷と雪の塊《かたま》りをのみこんで、何か堅げな、ごろんごろんとした液体と....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
見つめ、口を開けて喘いだ。見ているうちに変化が起こったように私は思った。――彼は
膨れるように見え、――彼の顔は急に黒くなり、目鼻立ちが融けて変ったように思われ、....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
た、巨きな瓣を取り去ろうとするがなし得ない――というところは、その肉化した瓣が、
膨れるのを懼れていたからなんです。 そこで、唇に何かを挟んで、それが
膨れるのに....
「日記」より 著者:宮本百合子
たはよいが、電車を間違え、京橋で、ぐるっと左へ廻られて仕舞ったには困った。Aが、
膨れる。自分も一寸いやだったが、自分達のとんまで間違え、二人で大真面目にむくれて....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
かったので、言われた事、話されただけを、不残鵜呑みにして、天窓から詰込んで、胸が
膨れるまでになったから、独り静に歩行きながら、消化して胃の腑に落ちつけようと思っ....
「私の机」より 著者:岡本綺堂
たが、何分にも紙を貼ったものであるから傷み易い。水などを零すと、すぐにぶくぶくと
膨れる。そんな欠点があるので、これもやがて廃れました。それでもまだ小机やチャブ台....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
るとベタベタ着いて取れない。干す物はアンペラに限る。それを焼くとソラこの通りよく
膨れるだろう。非常に
膨れる。これが即わち別製の軽焼餅だ。糯米は滋養分も多いし、一....
「美味放談」より 著者:北大路魯山人
おいて黄金と匹敵するとまで尊重されている。一匁一円二十銭だから水につけるとぐっと
膨れるからそれほど高いものでもないが、やはり、この種の美味の範疇に属するといえる....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
ょう」小山「実によく膨れましたな」お登和嬢「焼粉を入れないカステラでさえあの通り
膨れる処へ焼粉が沢山入りましたからこの通り大きくなりました。口へ入れると軽くって....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
れ上って大きくなっています。パンは焼く前に膨れていなければなりません。焼いてから
膨れるのはホンの二分位なもので焼かない前に大概膨れておるようでなければいけません....