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「膨張〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

膨張の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
べく、加うるに、豁達豪放《かったつごうほう》の気は、この余裕あるがためにますます膨張《ぼうちょう》して、十金《じっきん》を獲《う》れば二十金《にじっきん》を散ず....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
に増してついには太陽の光っている表面全体を暗くしてしまった。中に閉込められた火は膨張しようとして周囲の外殻を伸張したためについに殻が破れた。そうしてこの暗黒な外....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
来ているが、しかし互いに長短相補わない道理はない。諸君は心の落ちつきを失ってまで膨張発展を遂げた。われわれは侵略に対しては弱い調和を創造した。諸君は信ずることが....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
音は我々を駆逐する声、塵埃の飛散は我々を吹払う風である。 ▲文明とは物質生活の膨張であって、同時に精神生活の退縮である。文明を呪う声が精神生活の側から生ずるの....
四次元漂流」より 著者:海野十三
(僕ひとりをこの部屋において、どうしようというのだろう) 不安が入道雲のように膨張していった。動悸がはげしくうちだした。のどがしめつけられ、息がつまりそうであ....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
りがありそうだ) しかし、その事が宮川茅野雄の持ちつづけて来た好奇心を、急速に膨張させたのではなかった。 そんなように思われたばかりであった。 (どれ家へ帰....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
、拳に据えた五羽の鷹を屹と構えて空へ向ける。さすがは大御所秘蔵の名鳥、プッと胸を膨張ませ、肩を低く背後へ引く。気息充分籠もると見て一度に颯と切って放す。と、あた....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
けを郵送せよ。報酬として五万円を与う」 「報酬金が五万円になった」 私の興味は膨張した。 と、また新聞へ広告が出た。 「銀三十枚の持主に告げる。貴女の住居を....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
ったのだよ。何故なら、縊死者の眼を見ても判る通りだが、激しい息を吐く際には、脳が膨張するので、眼球がそれに圧されて、突き出てしまうのだ。また、犀利な刃物を、非常....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
今、繻子の寝床の介殻から抜けたスワンソン夫人の肉体は軽い空気の中に出てうす白く膨張する。彼女は逃げた肉体の重心を追う格好で部屋の左側に沿い室内靴をじゅうたんに....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
部めがけて弾丸が射出される。 ――ピストルの引金に紐が結びつけられ、水が凍る時の膨張力でこの紐が引かれ発射される。 ――時計のねじをかけると弾丸が発射される。 ....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
るのです。何故と云えば、暗黒星は冷え固まっているから堅い、光や熱をもっている星は膨張しているから柔らかです。それだから、暗黒星が他の星の皮を突き破り、中に包まれ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
、平和を主張す。自衛のために他国と戦うは、今日の勢い万やむをえずとするも、自国の膨張を図らんために、ほかの国を侵奪せんとするは、絶対的に反対なり。会員の結婚式お....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
を聞いた。 彼が血潮の沸騰することに気のついた時には、すでに彼の身体は見る見る膨張している時であった。 彼は水銀が熱によって膨張するごとく膨張した。彼は超人....
料理の秘訣」より 著者:北大路魯山人
いろいろのわけがある。卵を貯えて腹の大きいもの、餌を含んでいるもの、空気が入って膨張しているもの。 卵で大きいのはよいけれど、後の二つは注意を要する。たいも、....