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「膳棚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

膳棚の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
麁相もなく、彼の皿だけは下ってまいります。自分は蔵前の六畳の座敷に居って、其処に膳棚道具棚がありますから、口分をして一生懸命に油汗を流して、心を用い働いて、無事....
部屋」より 著者:宮本百合子
は、するりと茶の間をぬけて台所の方へ行った。ちょうど配膳の始るところで、板の間の膳棚の前へ女中が集っている。 裏階子を、彼女は片手で手摺につかまりながら二段ず....
播州平野」より 著者:宮本百合子
子をさがして呼んでいるひまに、 「その辺に、何ぞありましょう」 縫子が、大きい膳棚の横から古い番傘を一本とり出し、それをもって迎えに出て行った。 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
六十五 ビタをハリ飛ばしておいてからの神尾主膳は、その足で台所へ行って、膳棚の上から備前徳利を一つ取り下ろして振り試みると、まだカタコトと若干の音がする....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
の子寒き二月かな 永き日や花の初瀬の堂めぐり 伐り出す木曾の檜の日永かな 寒食の膳棚に吹く嵐かな 掃き溜の草も弥生のけしき哉 陀羅尼品春の日脚の傾きぬ 暖かやか....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
屈と思うの。治雄がいいのかもしれません。 お話するの忘れたけれど、台所の大きい膳棚の奥に小部屋がありましたろう? あすこを手入れしたら小じんまりとした四畳半が....
」より 著者:森鴎外
、小桶の湯がすっかり冷えてしまったのを、お玉はつめたいとも思わずにいた。 膳を膳棚にしまって箱火鉢の所に帰って据わったお玉は、なんだか気がそわそわしてじっとし....
魔都」より 著者:久生十蘭
瓶がその上で松風の音を立てている。 十畳ばかりの板敷の向うには、三段になった配膳棚があって、一つ一つ小蒲団で包まれた鰻丼が五十ほどズラリと並べられ、つまみ物の....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
あんが半分ほど顔を出している。 船頭溜りのほうへ行って見ると、粗木《あらき》の膳棚の中に食べおわった五人分のめし茶碗が押しかさねられ、長い食卓の上には食べかけ....
」より 著者:岡本綺堂
じさん。後生だからお湯を一杯……。 重兵衛 そうか、そうか。はは、忘れていた。(膳棚へ茶碗を取りにゆく。) 旅人 (思い出したように。)いや、わたしも忘れてい....
黒田如水」より 著者:吉川英治
作、二尺一寸四分。信長公故あつて管内といふ者をお手討ありし折、管内恐れて、庖厨の膳棚の下へ逃げかくれしかば、公、御刀を棚下へさし入れて、へし付け給ふに手にも覚え....