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膳部
「膳部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
膳部の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
すぎるて」
そういってやおら立ち上がりながら次の間に着かえに行った。
女中が
膳部《ぜんぶ》を片づけ終わらぬうちに古藤が来たという案内があった。
葉子はちょ....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
三味線《しゃみせん》をいれた小型のトランク提げて電車で指定の場所へ行くと、すぐ
膳部《ぜんぶ》の運びから燗《かん》の世話に掛《かか》る。三、四十人の客にヤトナ三....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
理に至るまで、われわれは茶の宗匠の存在を感ずるのである。配膳法はもとより、美味の
膳部の多くは彼らの創案したものである。彼らは落ち着いた色の衣服をのみ着用せよと教....
「わが町」より 著者:織田作之助
ンクを提げて、倶楽部から指定された場所へひょこひょこ出掛けて行き、五十人の宴会を
膳部の運びから燗の世話、浪花節の合三味線まで、三人でひきうけるとなると、ヤトナも....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ひと間へ連れ込み、一旦は扉をしめて立ち去ったが、やがて食事の時刻になると、立派な
膳部を運んで来てくれた。それでも役人の不安はまだ去らないので、日の暮れ果てるのを....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
花とある……紅いが特に奥方じゃな、はッはッはッ。 撫子、勝手に立つ。入かわりて、
膳部二調、おりく、おその二人にて運び、やがて引返す。 撫子、銚子、杯洗を盆にして....
「雷」より 著者:海野十三
、その口を押えようとする。化助は、何を生意気なと後を向いて噛みついてくる。そこで
膳部も襖も壁もあったものではない落花狼藉! そこへヒョックリと、北鳴四郎が入っ....
「新学期行進曲」より 著者:海野十三
てえ順序でござんす。 母親 まあ……。 △洋服をぬぎ、洋服かけがちゃつく。同時に
膳部の仕度の音、薬鑵、飯櫃の音。 母親 さあ、どうぞ。 父親 よお、どっこいしょ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
部分を譬えていえば、ひとりよがりの自慢の手料理が、それどころでなく、立派な饗宴の
膳部の向附にもふさわしい滋味を備えたものになるのである。 鶴見はそれだけの説明....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
伝癖をもって称された、晋の杜預の後胤であった。曾祖の依芸は鞏県の令、祖父の審言は
膳部員外郎であった。審言は一流の大詩人で、沈※期、宋之門と名を争い、初唐の詩壇の....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
庄屋格だけを次の間に並列さして、改めてお目通りという様な形式に囚われた挨拶の後、
膳部なども山中とは思われぬ珍味ぞろい。この家ではどうしても杯を手に持たせずには置....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
官女、烏帽子、素袍の五人|囃子のないばかり、きらびやかなる調度を、黒棚よりして、
膳部、轅の車まで、金高蒔絵、青貝を鏤めて隙間なく並べた雛壇に較べて可い。ただ緋毛....
「ストリップ修学旅行」より 著者:小野佐世男
幕は切って落されたのである。社長を上座に、ぐるっと大円陣の前には酒さかなの美事な
膳部がならべられ、自慢の肉体をお揃いの浴衣ににおわし膝をそろえた盛大さは、さなが....
「手長と足長」より 著者:喜田貞吉
、 寺務前手長。 など、この外にも所見すこぶる多い。大諸礼に、 手長といふは
膳部の方より請取、通の方へ渡すを手長といふなり。 と説明してある。されば倭訓栞....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
ひとりが、江木衷は有名な食道楽だ、あの人にぜひひとつ食べさせてやりたい、二十円の
膳部をつくってくれ、と言われた。二十円なんて料理をつくったことがないので、少しま....