»
膺
「膺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
膺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
思ってさえいれば、一生幸福に暮せるのに相違ない。こりゃ初子さんなんぞは殊に拳々服
膺《けんけんふくよう》すべき事かも知れませんぜ。辰子さんの方は大丈夫だが――」
....
「少年」より 著者:芥川竜之介
から車輪をまわしている。……
保吉は未《いま》だにこの時受けた、大きい教訓を服
膺《ふくよう》している。三十年来考えて見ても、何《なに》一つ碌《ろく》にわからな....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
すから極滑かでサラ/\と抜けるけれど梢より根へ扱く時は鱗が逆ですから何と無く指に
膺える様な具合が有て何うかするとブル/\と輾る様な音がします(荻)成る程|爾だ順....
「運命」より 著者:幸田露伴
は、此令を推して事に従えと。 嗚呼、何ぞ其言の人を感ぜしむること多きや。大任に
膺ること、三十一年、憂危心に積み、日に勤めて怠らず、専ら民に益あらんことを志しき....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
せられ、今般外国公使の入京参朝を仰せ付けられた次第である、と告げてある。もとより
膺懲のことを忘れてはならない、たとい和親を講じても曲直は明らかにせねばならない、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
が士族仲間から頭を持ち上げて来ましたぜ。征韓、征韓――あの声はどうです。もとより
膺懲のことは忘れてはならない。たとい外国と和親を結んでも、曲直は明らかにせねばな....
「惜別」より 著者:太宰治
、私たち学生も、正貨流出防止のため、羊毛の服は廃して綿服にしようとか、金縁眼鏡の
膺懲とか、或いは敵前生活と称して一種の我慢会を開催したり、未明の雪中行軍もしばし....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
見た所が、到底然るべき人物ではない。少くとも現代日本の官許教育方針を丸薬の如く服
膺出来ない点だけでも、明に即刻放逐さるべき不良教師である。勿論これだけの自覚があ....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。ねえ、ジャネーが云ってるだろう。肉体にうける苦痛を楽しむよりかも、精神上の自己
膺懲に快楽を感ずると云う方が、よりも典型的なマゾヒィストだと。そう云う風に非常に....
「風博士」より 著者:坂口安吾
ここに於てか諸君、余は奮然|蹴起したのである。打倒蛸! 蛸博士を葬れ、然り、
膺懲せよ、憎むべき悪徳漢! 然り然り。故に余は日夜その方策を練ったのである。諸君....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
権謀術数と、ある意味における暴力とを基とし、表面には立たず裏面にいて田沼の横暴を
膺懲するのだ。……私のような人間も必要だ」 「必要の段ではございません。大いに必....
「回想録」より 著者:高村光太郎
うのに苦労した。姉は絵を習い出すと、めきめきうまくなって、師匠の言うことは眷々服
膺して、熱心に通った。実に師匠思いで、先生から貰ったものは紙一枚でも大切に蔵って....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
は、世界の大勢に伴って国運を発展するゆえんを示したまえるものなれば、これを奉戴服
膺するにも、万国の形勢を知るの必要あり。しかるにわが国において、北半球の国情、民....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
なく岸を噬んでも、
衆人力を一つにして、急いでその穴を填めに往く。
好い。己の服
膺しているのは、
人智の最上の断案で、それはこうだ。
凡そ生活でも、自由でも、日....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
会を開くことにした。 ところが相撲部など運動部を中心とする右翼学生が『売国奴を
膺懲し、軍事研究団を応援しろ』というビラをはり、大会をつぶしにかかった。私は相撲....