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臆病風
「臆病風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
臆病風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白」より 著者:芥川竜之介
を忘れました。いや、忘れたばかりではありません。一刻もじっとしてはいられぬほど、
臆病風《おくびょうかぜ》が立ち出したのです。白は犬殺しに目を配《くば》りながら、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
怖に襲われて、茂八はふだんの力自慢にも似あわずに、まず引っ返して逃げ出した。その
臆病風に誘われて、喜平もつづいて逃げた。堤をころげ降りて往来へ出ると、敵はそこま....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
と妻児は愉快そうに笑って話して居る。
「何の位でとめられるですかね」またそろ/\
臆病風が吹いて来た余は、右手にかけて居る運転手に問うた。
「三|間前ならトメます....
「寺坂吉右衛門の逃亡」より 著者:直木三十五
解だ。併し、強ひてその解釈を求むれば、彼の仔細は、毛利小平太の仔細と同一だ、即ち
臆病風に襲はれて、一命が惜しき許《ばか》りに逃亡したといふことだ」 その外、いろ....
「超人間X号」より 著者:海野十三
しん》に燃えている武装警官隊は、山形警部一人だけに手柄をされてなるものか、署長が
臆病風《おくびようかぜ》にとりつかれたら、自分たちだけでも突撃しようという意気ご....
「地球要塞」より 著者:海野十三
器《うつわ》が小さすぎる」 久慈は、いやに謙遜《けんそん》をする。 「ははあ、
臆病風《おくびょうかぜ》に吹かれたね」 と、私がいえば、彼は、 「
臆病風? と....
「火薬船」より 著者:海野十三
ともにして、目的に邁進すると。ははあお前は、南シナ海の蒼い海の色をみて、きゅうに
臆病風に見まわれたんだな」 竹見は、目玉をくるくるうごかしつつ、 「
臆病風なん....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
廻して、 「風にもよりけりで、いろんな風があるが……、なかでも一番下らんやつに、
臆病風というのがある。そいつが、『大地軸孔』だけはぜひお止めなさい。暗剣殺と三り....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
く立ちどまってみつめていたが、なるほど、富士川みず鳥の羽音、平家ではないがとんだ
臆病風と哄笑一番、ふたたび水中に歩を拾って進もうとする!
いきなりつづみの与の....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
はひとまず思いとまられて、お返しください。おかえしください!」
「爺《じい》っ!
臆病風か」
「めっそうもござりませぬ。なれど、智謀には智謀をもって対し、隠忍には....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
たつかまったんだ。なに二十年延びるだけだ。俺《おれ》は何も恐がるわけじゃねえし、
臆病風《おくびょうかぜ》に誘われたわけでもねえが、こうなっちゃもう仕方がねえ、う....
「桜の森の満開の下」より 著者:坂口安吾
だよ」 女はびっくりしました。そのあげくに笑いだしました。 「おやおや。お前も
臆病風に吹かれたの。お前もただの弱虫ね」 「そんな弱虫じゃないのだ」 「じゃ、何....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
体の発育上、何歳より何歳ごろまでが智力のことさら伸張する時代であろう。そのころは
臆病風《おくびょうかぜ》の最も強く吹く期節《きせつ》となろう。 身体局部の故障よ....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
謀たる奥野後良、もう逃げ腰。 「や、それもそうだ。命あっての物種だ」と駒越左内も
臆病風。 九兵衛は又|家の大事と。 「どうか少しも早く御立退きを願いまする。お....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
勇敢なフロスト少将が第一番に戦死したものだから、さすがのライオン戦車隊も、一時、
臆病風《おくびょうかぜ》にかかって、とうとう攻撃の望《のぞみ》がなくなってしまっ....