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臓器
「臓器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
臓器の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
日が来たと思ったら、すぐその翌日から高い熱を出してひどい咳になってしまった。胸の
臓器を全部押し上げて出してしまおうとしているかのような咳をする。四五日経つともう....
「俘囚」より 著者:海野十三
裂いてみると、駭くじゃあないか、あの番人の肺臓もなければ、心臓も胃袋も腸も無い。
臓器という
臓器が、すっかり紛失していたのだ。そんな意外なことが又とあるだろうか」....
「千年後の世界」より 著者:海野十三
ないのである。 それでも、このおどろくべき医学の進歩がおこなわれた当時は、代用
臓器がたいへん高価であったし、そして金属で作った関係上、相当に重く、ために代用臓....
「蠅男」より 著者:海野十三
な硝子器の中に、アルコール漬けになって、心臓や肺臓や、ときとすると子宮などという
臓器が、すっかり色彩というものを失ってしまって、どれを見てもただ灰色の塊でしかな....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ちょっとした傷が急に悪化し、そして十九日目に死んでしまった。解剖してみると、造血
臓器がたいへん荒されており、骨髄、膵臓、腎臓などがいけなかった。これは放射物質に....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
の上にだけ電燈を点けて次から次へと金魚を縦に割き、輪切にし、切り刻んで取り出した
臓器を一面に撒乱させ、じっと拡大鏡で覗いたり、ピンセットでいじり廻したりして深夜....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
方向だけは斜め下になっていて、創底は胸腔内に入っていた。しかし、いずれも大血管や
臓器には触れていず、しかも、巧みに気道を避けているので、勿論即死を起す程度のもの....
「骸骨館」より 著者:海野十三
きをぬける。いよいよ骸骨館が目の前にあった。うすい月光をあびて、アルコール漬けの
臓器のように灰色だ。 まん中のくぐり戸のところだけが、魔物が口をあいているよう....
「超人間X号」より 著者:海野十三
へ循環《じゅんかん》させている。 まだそのほかに、人間や他の動物にはない特殊な
臓器をもっていた。それは博士が「電臓《でんぞう》」と名づけているものである。この....
「大脳手術」より 著者:海野十三
も一つの問題に突当った。それは外でもない。こうして容貌も変り、声も変り、四肢から
臓器までも変り果てた現在の私は、果して本来の私といえるかどうかという問題であった....
「伯林の降誕祭」より 著者:岡本かの子
医科大学の教室でつくるツリーへかける飾付けは、人間の心臓や肺、そのあらゆる人体諸
臓器の形をボール紙で造らえて色彩をつけたものだという話など聞き夜を更かしました。....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
剣状突起のところで癒着いている、右側の一人には、心臓は右に、その他ありとあらゆる
臓器が、左側のと反対の位置にあるというのだ。そして、その現象は、シュワルベ、サン....
「道」より 著者:織田作之助
通り抜けると、原っぱのなかを駈けだす。急に立ち停る。ひどい息切れが来たのだ。胸の
臓器を押しつぶしてしまいそうな呼吸困難である。駅の前が真っ白になる。赤い咳が来る....
「稀有の犯罪」より 著者:小酒井不木
琺瑯鉄器製の大盆の上に取り出されたときには、そばにあったピンセットを取り上げて、
臓器の一部分に、もっともらしく触れて見るだけの勇気が出ました。 贋教授はやがて....
「持ち味を生かす」より 著者:北大路魯山人
養を求めていることなのである。家畜のように宛てがわれた食物を無条件に鵜呑みでは、
臓器栄養部では充分の能動に事欠くであろう。好むものを食って楽しみ、好みの栄養を摂....