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「臥する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

臥するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青木の出京」より 著者:菊池寛
とを、無上の光栄のように欣んでいた。 青木が、近藤家に寄寓して、雄吉と同室に起臥することになったのは、それから間もなくのことであった。今までもそうであったが、....
明暗」より 著者:夏目漱石
常識に見捨てられた例《ためし》の少ない彼としては珍らしいこの気分は、今床の中に安臥する彼から見れば、恥ずべき状態に違《ちがい》なかった。しかし外聞が悪いという事....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
舎には床上更に五寸の仮床を造り得た。かくて二十頭の牛は水上五寸の架床上に争うて安臥するのであった。燃材の始末、飼料品の片づけ、為すべき仕事は無際限にあった。 ....
足迹」より 著者:徳田秋声
そこへ行くか、亡くなった妻の実家の持ち家が少しばかりある、その中の一つを借りて起臥するかよりほかなかった。どっちにしても、こんな病人に来て寝込まれるのを迷惑がる....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
多角的である。その都会美にも一致すれば、田園美にも合体する。かれらは炎塵の巷に起臥するをも苦とせねば、静閑の境に悠遊するにも億劫でない。すなわちかれらは忙裏の閑....
」より 著者:鷹野つぎ
折して続いた医務室などの建物があり、東方には病院の裏門が眼近に迫っていた。 仰臥すると視野はもう空の一色であった。晴れた日、曇った日、雲の流れ漂う日、暁の光り....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
し、食後の胃痛も無くして、心身復常せり。ああ此時に在りて誤りて空く床上に在て只平臥する事あらば、或は心身共に衰弱するに至るべきなり。此れ泥水の内に在て空腹にて困....
囚われ」より 著者:豊島与志雄
してある職業を探しながら閑散な日を送るようになってから、種々の都合上恒雄の家に起臥するようになったのである。それからもう半歳余りの日が過ぎた。彼はただ閑散なるま....
映画と民族性」より 著者:伊丹万作
れて熱情を湧かし得るものがあるかどうか。 説をなすものはさらにいう。畳の上に坐臥する日本の風習は彼らのわらいを買うからおもしろくない。百姓の生活は見せないほう....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
ックの三名も、いまとおく左門洞の楽園をはなれて、ひとりせきばくたる、この樹下に横臥するとき、さきにこの樹下にねむりし人をおもい、左門洞のことを思えば、その心の奥....
西航日録」より 著者:井上円了
がごとし。ときどき惰気眠りを促しきたり、筆を執るにものうし。ただ終日、甲板上に横臥するのみ。余よっておもうに、人の脳漿はバターに似たるか、暑気の加わるに従い、融....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
れども風また熱し。夜に入るも暑さなお減ぜず、海水の温度は八十度に達し、甲板上に横臥するも、なお発汗を免れず。朝六時に日昇りて、夕六時に没し、没後ただちに暗黒とな....
日を愛しむ」より 著者:外村繁
、この年をした自分が、そんなことを言えば、むしろ不様である。診察台の上に、私は仰臥する。 「膝を立てて下さい。おや、大分、慄えますね。酒ですか。煙草ですか。それ....
澪標」より 著者:外村繁
調和感が却って妙に好色的な気持を懐かせる。 医者に命ぜられ、私は診察台の上に仰臥する。その目に看護婦の白衣の肩が映り、看護婦が私の着物を開き、猿股の紐を解くら....
落日の光景」より 著者:外村繁
、私と妻は階段を下りる。妻は絆纏を私に渡し、照射室に入り、片肌を脱いで、寝台に仰臥する。その肩と、首筋には、小さい絆創膏が幾つも貼ってある。コバルトを照射する範....