自作農[語句情報] »
自作農
「自作農〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自作農の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「電報」より 著者:黒島伝治
いるという噂が、村中にひろまった。源作は、村の貧しい、等級割一戸前も持っていない
自作農だった。地主や、醤油屋の坊っちゃん達なら、東京の大学へ入っても、当然で、何....
「駈落」より 著者:佐左木俊郎
けて行った父親の春吉が、山畑でひと仕事して帰って来た時は、大百姓の(それは大きな
自作農であった)片岡の家に、日傭《ひでま》に行くので、先に食事を始めた菊枝が、ち....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
らんだか! 小学校の新築が落成した。その年である。竹三郎は村会議員に当選した。
自作農で小作農も兼ねている。そんな人間は、村会議員どころか、衛生組合の伍長の資格....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
吉は、二十三だった。弟の僕は、十六だった。春のことである。 地主の娘と、小作兼
自作農の伜との結婚は、家と家とが、つり合わなかった。トシエ自身も、虹吉の妻とはな....
「嵐」より 著者:島崎藤村
だけの田と、畑と、薪材を取りに行くために要るだけの林と、それに家とをあてがった。
自作農として出発させたい考えで、余分なものはいっさいあてがわない方針を執った。 ....
「分配」より 著者:島崎藤村
年若い農夫としての太郎は、過ぐる年の秋の最初の経験では一人で十八俵の米を作った。
自作農として一軒の農家をささえるには、さらに五六俵ほども多く作らせ、麦をも蒔かせ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ら嫌って、目下場内の農家がまだ三四戸に過ぎぬのをいたく慙じ、各十町を所有する中等
自作農をせめて百戸は場内に入るべく切望して居る。
午後アイヌが来たと呼ばれるの....
「新しき大地」より 著者:宮本百合子
約半数が五反未満の田畑をもっているに過ない。 玄米一石の生産費(昭和十二年度)
自作農二五円八七銭 小作農二八円七一銭 現在の農村は事変以来二割近い手不足で....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
当然だ。 最近中央会から発表されたところによると、産業組合の階級構成で、地主と
自作農とが圧倒的な優勢を占めていることが具体的に証明されたのであって、これを百分....
「シェイクスピアの郷里」より 著者:野上豊一郎
手ほどきをしてやったものかと思われる。 此の家の見物の一つの興味は、三百年前の
自作農の生活状態を想像させるのに都合のよい家具類がそのままに保存されてあることで....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
のだ。 藤久真吾という子がいた。これもやはり一里半はなれた田舎から通っていた。
自作農の子で、兄は農学校を出て技師をしており、二人の姉さんは広島の師範学校を出て....
「小豆島」より 著者:黒島伝治
しまったこともある。金廻りの良かった時には、鰯網に手を出したこともある。が昔から
自作農であったことに変りはない。祖父は商売気があって、いろ/\なことに手を出して....
「選挙漫談」より 著者:黒島伝治
聴衆の中には、一坪の田畑も所有しない純小作人もある。が、五段歩ほど田を持っている
自作農もいる。又、一反歩ほど持っている者もいる。そこで「吾々貧乏人は……」と云わ....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
れば、「今日は」「いや、しばらく!」であった。 コソ泥のR S部落の
自作農Rがまた「上げ」られた。今度こそ慣例の「もらい下げ」も利くまいし、親戚・縁....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
函館) 二百十町歩――片山子爵(東京) 三百町歩――高橋是善(東京) 外ニ、
自作農五戸、百五十町歩。 「巡査」と「※の旦那」 市街地には、S村青....