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自分と
「自分と〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自分との前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
エトルをはいて、腰に弁当の包《つつみ》やら水筒やらをぶらさげている。
能勢は、
自分と同じ小学校を出て、同じ中学校へはいった男である。これと云って、得意な学科も....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
いて、その黒柿《くろがき》の骨を、一つずつ指で送ったり、もどしたりしながら、兄と
自分との関係を、それからそれへ、思い出した。――
なんで自分は、こう苦しまなけ....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
ての所為《しょい》である。
最後に、内供は、内典外典《ないてんげてん》の中に、
自分と同じような鼻のある人物を見出して、せめても幾分の心やりにしようとさえ思った....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
も、眠てしまったのも、いまだにちゃんと覚えている。そうして、その記憶に残っている
自分と今日の
自分と比較すると、どうしても同じ人間だとは思われない。それなら、どっ....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
ような速力で、慌しくどこかへ消えてしまった。ああ、あの騎兵たちも、寂しさはやはり
自分と変らないのであろう。もし彼等が幻でなかったなら、自分は彼等と互に慰め合って....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
だと云う事は、一目ですぐに知れたからである。
自分は先生を見ると同時に、先生と
自分とを隔てていた七八年の歳月を、咄嗟《とっさ》に頭の中へ思い浮べた。チョイス・....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
スブルクの Ratzel と云う宝石商は、ある夜|街《まち》の角をまがる拍子に、
自分と寸分もちがわない男と、ばったり顔を合せたそうでございます。その男は、後《の....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
た。が、同情は昔とちがって、惜しげもなくその美しい文章に注がれるが、しかも樗牛と
自分との間には、まだ何かがはさまっている。それは時代であろうか。いや、それはただ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
の格子戸造りが一軒ある――それがあの神下しの婆の家だと聞いた時には、まるでお敏と
自分との運命が、この怪しいお島婆さんの言葉一つできまりそうな、無気味な心もちが先....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
自分は切《せつ》に、その人が自分のために高教を吝《おし》まない事を希望する。また
自分としても、如上の記述に関する引用書目を挙げて、いささかこの小論文の体裁を完全....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
げた。と、私は気が狂ってしまうかと思ったほど劇しい悲哀にとらわれてしまった。私は
自分というものから脱れるためにはどうしたら好いかと考えてみた。何か物をすることは....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
細君は既に教会にはいってはおった。ある人が何故に相談しなかったときいたら、それは
自分と神との間のみの事だから、と答えた。 ファラデーには子供が無かった。しかし....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
く、強制的で荒っぽいのにもかかわらず、底には滑稽な茶目な色合いが強かった。彼には
自分とそっくりな仲間が三、四人いて、みな彼を師表と仰いでいたが、その連中の先頭に....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
の老人の心をくるしめだしたので、彼は自分の衰えた記憶を助けてもらう積りで、女房も
自分と一しょに教会へ来させた。 ある日の夕がたのことである。もう日が暮れようと....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
ると、なかなかよそに移る気があっても決断が出来ない。近所の人達も行くなと言うし、
自分としても少しよくなったからといって、このアパートを出て行く気がしないのである....