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自分勝手
「自分勝手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自分勝手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
傾向の不思議なる五年間の共棲《きょうせい》を我々に理解させるために、そこに論者が
自分勝手に一つの動機を捏造《ねつぞう》していることである。すなわち、その共棲がま....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
台守りと犬ぐらいのものだろう。夜は寒くさびしくふけて行く。 君、君はこんな私の
自分勝手な想像を、私が文学者であるという事から許してくれるだろうか。私の想像はあ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
かれらから見れば蘭印を日本に独占されては困ると考え、日本から言えば何だアメリカは
自分勝手のモンロー主義を振り廻しながら東亜の安定に口を入れるとは怪しからぬという....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
な顔をして、今日の規矩男の気勢を避けるため、さっきから持ち出していた小ノートに尚
自分勝手な目前の印象を書き続けて行った。 「僕はあなたの歌を一昨夜母から見せられ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
けられてしまったあとは、またもとのように、だらしのない人間に戻ってしまう。ふだん
自分勝手な、欲ばったことばかりをして、自分さえよければ、この地球がどうなってもい....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
の出来ない事は、昔といえども実はあまりかわりはない。 打あけて言えば、渠はただ
自分勝手に、惚れているばかりなのである。 また、近頃の色恋は、銀座であろうが、....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
とぐっと落着いて張合った気で見れば、余りしおらしいのが癪に障った。 が、それは
自分勝手に、対手が色仕掛けにする……いや、してくれる……と思った、こっちが大の自....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の因縁、めいめいきちんと割り当てられた境涯があるので、たとえ親子夫婦の間柄でも、
自分勝手に同棲することはできませぬ。そなたの芳志はうれしく思いますが、こればかり....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
。若し夫は縁がなくて死んだあとには尼になるのがほんとうだのに「今時いくら世の中が
自分勝手だと云ってもほんとうにさもしい事ですネー」とうそつき商ばいの仲人屋もこれ....
「錦紗」より 著者:犬田卯
へ持ち去っている。それで、金はまだそのままそっくりしている。使いたくてもちょっと
自分勝手には使えないような家の子供だ。」 「大尽どんの子供かな、では……」お通は....
「米」より 著者:犬田卯
んなら、さっさと俺家出てもらアべ、婿の分際も弁えねえで、心配かけねえとは何事だ。
自分勝手に、婿なんどに身上引っかき廻されて、それでこの俺が、黙っていられっかっち....
「雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
」が一種の流行になっているのではないかと思われます。みんなで成り上ってしまって、
自分勝手に躍り狂っているのでありますから、自ら開拓して芸術の殿堂を建立しようなん....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
見|明なり、杖の差配さえ取上げそうもないことを、いかんぞ洋刀が頷くべき。 各々
自分勝手な迷信から、他人の持物を侵そうとする、それも方角が悪いといって、掃溜の置....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
花が、葉を搦んだ白い脚が、寝衣の裳を曳いて寝みだれ姿で寝床からと……その様子が、
自分勝手の胸にあった。ただし、他家様のお惣菜を、豆府殻、は失礼だ。 「たとえばで....
「越年」より 著者:岡本かの子
れないかも知れない。僕もきっかり決裂した感じで気持をそらすことが出来よう。そんな
自分勝手な考えしか切羽詰って来ると浮びませんでした。とつおいつ、僕は遂に夢中にな....