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自問
「自問〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自問の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
幾度も無関心に繰返した。笠井の娘――笠井の娘――笠井の娘がどうしたんだ――彼れは
自問自答した。段々眼がかすんで来た。笠井の娘……笠井……笠井だな馬を片輪《かたわ....
「富士」より 著者:岡本かの子
伯母さんにはまた伯母さんとしてのたくさんな担いものがあるらしいから」 胸にこう
自問自答して、女は洞の中の男の傍に介抱すべくとどまった。 山は晴れ、麓の富士桜....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ならぬ罪に触れる所で有ったと御自分で私を有難くお思いなさる、ハイ夫は必ずですよ」
自問自答の様に述べ終って、更に容儀を正して爾して秀子の方へ振り向いた、此の時まで....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
苦労も心配もいらぬ事だ。今まで文芸などに遊んでおった身で、これが果してできるかと
自問した。自分の心は無造作にできると明答した。文芸を三、四年間|放擲してしまうの....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
女はその夫人には明さなかったむす子を巴里へ留学させて置く気持の真実を久し振りに、
自問自答してみた。まえにはいろいろと、その理由が立派な趣意書のように、心に泛んだ....
「金属人間」より 著者:海野十三
い。誰がそんなことをしたのだろう。やっぱり、あのあやしい男のしわざか」 検事は
自問自答した。 「そうでしょうね。あの怪人物は、なかなか注意ぶかくやっていますね....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
の草履の奥さまがおくってくださったのではないかしら。でもまさか」 と、房枝は、
自問自答をして、再びその花環へ、まぶしい視線を送ったが、そのとき、房枝は、とつぜ....
「小春」より 著者:国木田独歩
けられてあるばかりもはや自分を動かす力は消え果てていた。今さらその理由を事々しく
自問し自答するにも当たるまい、こんな事は初めからわかっているはずである、『マイケ....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
て、最初横蔵の鏡に映った片眼が、もしそうであるにしても――と、フローラは不思議な
自問自答をはじめた。 というのは、はしなくその時の鏡が、古びた錫鏡だったのに気....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
り出した。 「手紙はたびたび貰っているが、君はあまり考え過ぎると思うね。だいたい
自問自答というやつは、自分で自分の心を解釈するんだから、いつも標準が狂いがちなも....
「火の扉」より 著者:岸田国士
いだし得ないでいる。これは彼女の心理としては、矛盾とまではいかないが、あやふやな
自問自答というようなかたちのものであつた。それゆえ、彼の出方に対して、いつも、警....
「光は影を」より 著者:岸田国士
ていた味岡小萩は、いつたい、いまの自分にとつて、どういう存在なのであろう? と、
自問自答せずにはいられなかつた。 彼は、彼女と最初に識り合つた日のことをはつき....
「城」より 著者:カフカフランツ
幸福感を味わうようなものであった。
「これはコニャックかな?」と、Kは疑いながら
自問して、好奇心からためしてみた。ところが、驚いたことにやっぱりコニャックであり....
「審判」より 著者:カフカフランツ
ん同時に、今度は自分の考える筋道からして、自殺するというどんな理由があるのか、と
自問してみた。あの二人が隣室にすわっており、自分の朝飯を平らげてしまったから、と....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
肉体によって差し当り象徴され、かりに形づくられています。しかしながら、今一だんと
自問自答を突きつめて「では本当の自己とはどこか体の一部分にでも潜んでいるのか」「....