自問自答[語句情報] » 自問自答

「自問自答〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自問自答の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
幾度も無関心に繰返した。笠井の娘――笠井の娘――笠井の娘がどうしたんだ――彼れは自問自答した。段々眼がかすんで来た。笠井の娘……笠井……笠井だな馬を片輪《かたわ....
風の便り」より 著者:太宰治
汚れがなくて綺麗に見えます。私たちは、いつでもおっかなびっくりで、心の中で卑怯な自問自答を繰りかえし、わずかに窮余のへんてこな申し開きを捏造し、責任をのがれ、遊....
虚構の春」より 著者:太宰治
便便として過してます。自分の生活を盲動だと思って、然し、人生そのものが盲動さ、と自問自答しています。(秋の夜や、自問自答の気の弱り。これは二百年まえの翁の句です....
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
ちとけた内輪話でもできる思慮分別のある親友とでも話しているように、ざっくばらんに自問自答をやりはじめたものである。【いや、駄目だよ】と、アカーキイ・アカーキエウ....
富士」より 著者:岡本かの子
伯母さんにはまた伯母さんとしてのたくさんな担いものがあるらしいから」 胸にこう自問自答して、女は洞の中の男の傍に介抱すべくとどまった。 山は晴れ、麓の富士桜....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ならぬ罪に触れる所で有ったと御自分で私を有難くお思いなさる、ハイ夫は必ずですよ」自問自答の様に述べ終って、更に容儀を正して爾して秀子の方へ振り向いた、此の時まで....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
女はその夫人には明さなかったむす子を巴里へ留学させて置く気持の真実を久し振りに、自問自答してみた。まえにはいろいろと、その理由が立派な趣意書のように、心に泛んだ....
金属人間」より 著者:海野十三
い。誰がそんなことをしたのだろう。やっぱり、あのあやしい男のしわざか」 検事は自問自答した。 「そうでしょうね。あの怪人物は、なかなか注意ぶかくやっていますね....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
の草履の奥さまがおくってくださったのではないかしら。でもまさか」 と、房枝は、自問自答をして、再びその花環へ、まぶしい視線を送ったが、そのとき、房枝は、とつぜ....
三十歳」より 著者:坂口安吾
う、美貌と才気にめぐまれたこの人の心をあたゝめる何物もないのだろうか、私はいつも自問自答していたのです。 あなたと矢田さんが、あのような関係にあったとは! 矢....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
て、最初横蔵の鏡に映った片眼が、もしそうであるにしても――と、フローラは不思議な自問自答をはじめた。 というのは、はしなくその時の鏡が、古びた錫鏡だったのに気....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
り出した。 「手紙はたびたび貰っているが、君はあまり考え過ぎると思うね。だいたい自問自答というやつは、自分で自分の心を解釈するんだから、いつも標準が狂いがちなも....
火の扉」より 著者:岸田国士
いだし得ないでいる。これは彼女の心理としては、矛盾とまではいかないが、あやふやな自問自答というようなかたちのものであつた。それゆえ、彼の出方に対して、いつも、警....
光は影を」より 著者:岸田国士
ていた味岡小萩は、いつたい、いまの自分にとつて、どういう存在なのであろう? と、自問自答せずにはいられなかつた。 彼は、彼女と最初に識り合つた日のことをはつき....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
肉体によって差し当り象徴され、かりに形づくられています。しかしながら、今一だんと自問自答を突きつめて「では本当の自己とはどこか体の一部分にでも潜んでいるのか」「....