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「自壊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自壊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
広津氏に答う」より 著者:有島武郎
ブルジョアジーの生活圏内に生活したものは、誰でも少し考えるならば、そこの生活が、自壊作用をひき起こしつつあることを、感じないものはなかろう。その自壊作用の後に、....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
深くに潜んでいて蜂窩《はちす》のように蝕《むしば》み歩き、やがては思いもつかぬ、自壊作用を起させようとするあの悪虫の力は、おそらく真昼よりも黄昏《たそがれ》――....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
亀裂の中から、残った人達を犯罪の底に引き摺り込んででもゆきそうな――思いもつかぬ自壊作用が起りそうな怖れを、世の人達はしだいに濃く感じはじめてきた。けれども、予....
惜別」より 著者:太宰治
現状はどうだ。支那は慄然とすべきである。このままでいいという自負心は、支那を必ず自壊に導く。支那には、いま余裕も何も有るはずはないのだ。自惚れを捨てて、まず西洋....
地球要塞」より 著者:海野十三
《きと》につくのだ。米連艦隊と欧弗同盟空軍とを闘わせたのは、地球に内乱を起させ、自壊作用《じかいさよう》を生じさせ、大いに消耗《しょうもう》させたつもりだったが....
娯楽論」より 著者:戸坂潤
る点に於て、幸福と大して違ったものではない。 かくて快楽という観念は結局に於て自壊する積極性しか有たず、又社会的規定をそれ自身には持っていない、そういう観念な....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
でも云いたい雰囲気が濃くなって行きました。ですから、今度の事件も、その結果当然の自壊作用だと、僕は信じているのですよ。法水さん、その空気は、今にだんだんと分かっ....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
るのが賢明でしょうよ。今度は耐震耐火建築にしろという暗示でもあります。夫婦生活の自壊調節作用はどこの家庭にもあることで、この程度の大地震も、そう珍しいものじゃあ....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
かは犯罪とでもなりそうな、やがては夷岐戸島の秘密を中心にこの一座に起るであろう、自壊作用の兆ででもあるかに考えられるのだった。 ところが、どうしたことか、その....
二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
之こそファッシズムを醸成する温床である。暴力は一時世を支配しようとも、暴力自体の自壊作用によりて瓦壊する。真理は一度地に塗れようとも、神の永遠の時は真理のもので....
三国志」より 著者:吉川英治
しも旺だった黄巾賊の勢力も、洛陽の派遣軍のために、次第に各地で討伐され、そろそろ自壊しはじめたようですな」 関羽がいうと、 「つまらない事になった」 と、張....
三国志」より 著者:吉川英治
城門に出迎えて、 「自分は決して、この国を奪うたのではない。城内に私闘が起って、自壊の兆しがみえたから、未然に防いで、暫時守備の任に当っていたまでである」と、言....
三国志」より 著者:吉川英治
すめて、坐りながらに待てば許都の曹操はここ二、三年のうちにかならず破綻をおこして自壊する。その時を待って一挙に決するが利じゃ――と申すのだが」 「なるほど、安全....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の勝ちとしてよかろう。もしあと百日|保てば、おそらく北条勢の寄手のうちに、大きな自壊がおこるに相違ない」 正成は言った。 けれど正成のこの言も、いささか安間....
黒田如水」より 著者:吉川英治
討て」 一面にはまたこういう空気も起った。当然、伊丹の一体は違和を生じ、急速な自壊作用をしはじめた。 恃むべからざるものを恃んで、毛利方に捨てられた伊丹の城....