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自存
「自存〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自存の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
いようだが、古支那人は近世の南洋人のごとく、怪物に魂を食わるるとその人個人として
自存が成らず心身全滅して再生また極楽往きの望み竭《つき》ると懼《おそ》れたのだろ....
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
種の関係であって、意識そのものを離れて空間なるものが存在しているはずがない。空間
自存の概念が起るのはやはり発達した抽象を認めて実在と見做《みな》した結果にほかな....
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
は物や心に由って所持せられるのではなく、理が物心を成立せしむるのである。理は独立
自存であって、時間、空間、人に由って異なることなく、顕滅用不用に由りて変ぜざる者....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
り出そうとする動向は、その内容(緊張度の増減は論じないで)に於て変化することなく
自存するのを知っている。然し道徳性と道徳とが全く異った観念であるのは、誰でも容易....
「あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
へ向って、その死という連続的の真実を見たことがなかったとは言わなかった。その死の
自存を感じなかったとは言わなかった。また屍灰から生れ屍灰のなかへ没して行くその死....
「平塚・山川・山田三女史に答う」より 著者:与謝野晶子
、あるいは深海に飛込んで魚貝を漁って生活しているので、自ら意志が強固になり、独立
自存の気象に富んでいる。海浜または島嶼に住んでいる女子が男|勝りに気概があり、権....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
にしつつある、ということから見て、ブルジョア哲学者の或る者が信じているような独立
自存な哲学として哲学ともいうべきものがあり得ないことは、云うまでもない。無論哲学....
「婦人も参政権を要求す」より 著者:与謝野晶子
にのみ終始して、自己の生存を主張する理由が薄弱になります。この創造能力を用いて、
自存、自労、自活、自営の生活を建設してこそ初めて堅実な積極的の文化生活者と称する....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
来塀というものはその内側に建築あって始めて成立つ筈であろうが、この塀ばかりは独立
自存、三十三間堂が眼中にないのだ。そうして、その独立
自存の逞しさと、落着きとは、....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
合には、全然勇気がいらない。 孔子もキリストも古代の思想で、これは人間一個自立
自存の思想であるから、勇猛心を代償として尚かつ我利我利妄者であるべきかという豪傑....
「佳日」より 著者:太宰治
これは、いま、大日本帝国の
自存自衛のため、内地から遠く離れて、お働きになっている人たちに対して、お留守の事....
「全体主義」より 著者:国枝史郎
全体主義理論家のシュパンの説を、ほんの一部、左に摘録してみる。 「何物も独立
自存してはいない。又、独立
自存することは出来ない。一切のものは、より偉大なもの、....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
るときは、造物主の造物主なかるべからず。もし、造物主は無始以来現存するものにして
自存自立なりとするときは、その体すなわち無始無終なりといわざるべからず。 ゆえ....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
少くとも表面上無用の事にこれ有り候う。社会の不良分子は改善せざるべからず、社会の
自存し能わざるものは救済せざるべからず、これを特に或る特殊の部族にのみ限るの必要....