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自家製
「自家製〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自家製の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
鶴さんは、鳥打帽をかぶって、自転車で方々の洋食店のコック場や、普通の家の台所へ、
自家製の鑵詰ものや、西洋食料品の註文《ちゅうもん》を持ちまわっていた。
先《せ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
私が御案内しましょう。」 と菖助は言って、餞別のしるしにと先祖伝来の秘法による
自家製の丸薬なぞを半蔵にくれた。 平袴に紋付の羽織で大小を腰にした菖助のあとに....
「道標」より 著者:宮本百合子
とおしがきくようになった。赤い広場へ出る街角にも、春までは、買物籠に玉子、バタ、
自家製のチーズ、鶏などを入れて立っている女や年とった男が多勢いたものだった。ここ....
「モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
っている農民の手であった。彼等は一キログラム二ルーブリ四十カペイキ位の公定相場で
自家製バタを手放すことを欲しなかった。ただし、その払底の間にも、個人が営む売店の....
「世代の価値」より 著者:宮本百合子
して語られて来ていたし、各国史としての日本史はその反対に世界史との横の結合なしに
自家製に語られて来ている。その中に入ると、歴史的現象は次々へ繰りひろげられている....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
、私の家は、先祖代々|一子相伝である花柳病専門薬を製造していた。天水香というのは
自家製の膏薬の名であり、同時に家の屋号の代用として通用した。よその人は父を天水香....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
いのはわかっているが、そこで素材を使うべき場合には相当限定をして置いてあとはこの
自家製木炭で調節するようには出来ないものか、この村あたりではまだこの炭化方法を実....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いるということを認めなければならないのでしょうと思います。私の勉強法なんて全く、
自家製のお粗末なのですものね。誰からも教えられず、極めて遅々たる自分の自然な成長....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いう足袋はいていらっしゃるのは。反対にわたしはあなたのお下りよ。大量の生産品が、
自家製より優秀になってこそ、です、本当におっしゃるとおりと思います、それと同時に....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
。商売女が見物するのは仕方がないが、良家の子女が見るべきものではないというような
自家製戒律が明治ごろの家庭には存在していたようだ。けれども、これを放置しておいて....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
よいと思います。 中村屋牧場は乳牛十数頭を飼えるだけの最も小規模なものですが、
自家製品の原料または飲用としての牛乳を得るに恥かしくないだけの自信を持っています....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
に分るものではない。自信のあるものを売らなければ店の信用を維持出来ないのだから、
自家製品のみを売るのはけだし当を得た策と思っている。 これについて、一つ話があ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
上神出鬼没と来ている」 「さすがは名誉の海賊で」 「何しろ船が別製だからな」 「
自家製造の船なのでしょうな」 「うん、そうだ、だから困ったのさ。……その上、いつ....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
るんです」 「――へえ?」 驚いた顔へぐっと寄って来て、 「――それもあんた、
自家製の特効薬でしてね。わたしが調整してるんですよ」 「――そいつア、また。……....
「米」より 著者:犬田卯
返し、そして一目散に田植の準備を進めたが、肝心の肥料がまだ手に入っていなかった。
自家製の堆肥だけはどうやら真似事位には入れたが、それだけでは泥の廻らない一段と高....