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自己欺瞞
「自己欺瞞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自己欺瞞の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
人の眼にも触れなかったであろう。況やアントニイの眼をやである。
こう云う我我の
自己欺瞞はひとり恋愛に限ったことではない。我々は多少の相違さえ除けば、大抵我我の....
「錯覚自我説」より 著者:辻潤
命づけられている。かれの目的とはただかれに与えられた運命の追認的ホンヤクであり、
自己欺瞞である。 経験的には意志は価値によって導かれる。ゆえに価値は意志より原....
「あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
彼自身の敵である。それともそれは、彼自身の幻影であろうか。彼はこの明るい日の下に
自己欺瞞に陥っているのであろうか。そうすればそれは、二重の欺瞞に変えられないとも....
「文学精神と批判精神」より 著者:宮本百合子
おこる動機をひとしなみに社会的・文学的必然として尊重し、結果としては現実に対する
自己欺瞞の意識や擬態を正当化するようになった。作家と読者との相関のいきさつのなか....
「「下じき」の問題」より 著者:宮本百合子
は、さながら自身の良心の平安と切りはなし得るものであるかのように装う、最も陳腐な
自己欺瞞と便宜主義が、日本の現代文学の精神の中にある。この天皇制の尾※骨のゆえに....
「愛」より 著者:宮本百合子
あいの媒介物となったのは、いつの頃からでしょう。そして、愛という字が近代の偽善と
自己欺瞞のシムボルのようになったのはいつの時代からでしょうか。三文文士がこの字で....
「異邦人の意欲」より 著者:豊島与志雄
みる余裕の少い現代に於ては、猶更そうである。彼には、政治家に於ける公衆のような、
自己欺瞞の――イリュージョンの――手品の種がない。ばかりでなく、出版資本主義の商....
「決闘」より 著者:神西清
イロンの匂い、白粉の匂い、色んな薬の匂い、来る朝も来る朝も例の捲髪紙、相も変らぬ
自己欺瞞……。」 「アイロンなしじゃ主婦の務めはできまい」と、知合いの婦人のこと....
「妻」より 著者:神西清
のじゃなくて? でも、もう一度お願いしますわ。これを」と自分の書類を指さして、「
自己欺瞞とでも、女の論理とでも、誤ちとでも、なんとでもお呼びになるのは御勝手です....