自席[語句情報] »
自席
「自席〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自席の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
やがてこの調査団室の風が一先《ひとま》ず鎮まる時が来た。それはワーナー博士が
自席に戻りハンカチーフで額の汗を拭ったことによって知れた。 「何事が起こったんで....
「海底大陸」より 著者:海野十三
るかもしれない」 「それはどうも不合理だ」 と白いひげの、やせたからだの老人が
自席に立った。アイルランド大学のクイ教授だ。 「事務長クーパーの報告によると、海....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
は、わははと笑った。 「芹川には、実際かなわんなあ。」と首を振り振り言って、僕が
自席にかえってからも、僕の顔を、しげしげ眺めて、「教員室でも、みんなお前を可愛い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「この立合、勝負なし、分け!」 と宣告しました。 分けにしては宇津木文之丞が
自席へ走り込んだのがわからない、一同の面《おもて》にやや不服の色が顕《あら》われ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
博士がつかつかとやってきて、戸倉老人を診察した。それはかんたんにすんだ。机博士は
自席にもどる。 「牛丸少年。お前の前にいるのが戸倉老人だ。この老人なら見おぼえが....
「火星兵団」より 著者:海野十三
に驚き、今後のため、いろいろと念入な打合わせが、行なわれたものらしい。
課長が
自席へ帰って来ると、それを見かけた佐々刑事が、課長のところへ飛んで来た。
「やあ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
時に、みんな言い合わしたようにこのマントン・デ・マニラをひらりと肩から滑らして、
自席のまえの欄干へ懸ける。これが何よりの闘牛場の装飾になる。いまスタンドのそここ....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
ぎを贈呈することをお許し下さい。」 ウェラー氏が、かぎをテーブルの上において、
自席にもどると、さかんな拍手、さけび声が起りました。つづいていろんな討議がおこな....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
をあげて挨拶《あいさつ》をしたり、婦人たちの手に接吻《せっぷん》したり、舞台前の
自席から劇場の奥まで微笑を送ったりしてるのを、クリストフは見かけたことがあった。....
「擬体」より 著者:豊島与志雄
退社間際になって、青木は、ちょっと居残ってくれるようにと石村から言われて、
自席に残った。同僚が退出した後の事務室は、空気までも冷え冷えとしてきた感じで、眼....
「落雷のあと」より 著者:豊島与志雄
や人込みが少くなった頃、電車に乗り、正午近くなって会社へ出ました。そしてそのまま
自席に就き、ぼんやり考えこんでいますと、専務の水町周造から呼びつけられました。 ....
「安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
モモダチをとってから木刀を構える。試合がすんで礼を終えて後に至っても油断しない。
自席に戻りつくまでギロリと目玉を光らせて敵の卑劣な攻撃にそなえていなければならな....
「発明小僧」より 著者:海野十三
きからず、また小さからず。重役の耳には入らねど、御自分を起すには充分です。これを
自席に帳簿を立ててその蔭で行うとか、或いはまた電車の中にて、乗換えまでの僅少なる....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
の七夕ですから、初穂として早出来の甘藷を掘って見ました。」 こういって、主人は
自席へ戻って行った。 ほほえましい空気が一座の人々の心を和めずにはおかない。誰....
「瘤」より 著者:犬田卯
く無雑作にやり出した。そして、「田辺君……」ちょいと眼で。「だいたい――」田辺は
自席から、「他村なんかに比し、本村の公課負担は重すぎる傾向があるようだが、――た....