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自律
「自律〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自律の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
なる括弧《かっこ》を施し、超然として中和の空気を吸いながら、無目的なまた無関心な
自律的遊戯をしている。一言にしていえば、媚態のための媚態である。恋の真剣と妄執と....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
るが、然し今大切な点は、仮に名目上の問題であるにしても、少なくとも宗教そのものの
自律、いわゆる信教の自由、というものを日本の支配者機関が尊重し又尊重するように見....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
本然的要求の上に基礎を置いたとき、われらはその声に傾聴しなければならない。かくて
自律の道徳は起こり、真実の自由は始まる。すなわち氏の倫理思想は自然主義である。 ....
「科学論」より 著者:戸坂潤
ありのままに掴まれ得るのか。――それはこうである。まず、意識はそれが如何に自由で
自律的で自覚的なものであるにしても、脳髄の所産であるという、一見平凡で無意味に見....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
たことではない。その限り論理は確かに大丈夫独立性を有っていないのではない。論理の
自律への関心はこの程度で満足させるわけには行かないであろうか。 吾々はもっと実....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
こととの、概念であると。だから彼によれば、イデオロギーとは、結局精神的なるものの
自律に帰着する(そして之がマルクスに対する最も忠実な解釈だそうである)。もしイデ....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
理だけを媒介する、という仮定に帰すると云わざるを得ないだろう。そうなれば論理絶対
自律主義だ。
では論理の媒介に対する無媒介な直接態を仮定するそうした神秘主義(....
「男女の交際について」より 著者:坂口安吾
く気を廻さぬ方がよいものだ。 終戦後、親たちの権威や道義感が失墜し、青年たちに
自律性が現われたことは喜ぶべきことで、先日ダンスホールの支配人の話に、ちかごろの....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
して低卑であることはそれにもまして恥じねばならぬことである。人の道、天の理、心の
自律――近くは人間学的倫理学の強調するような「世の中の道」にまでひろがるところの....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
かっているのである。 天草次郎の発狂ぶりにホッと気のゆるんだ光秀と半平は、もう
自律性を失い、次郎次第、暗示の通りにうごく。 次郎も長々の拷問折檻に衰え果てゝ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
生命についての彼のいろいろの感想を述べた。その中には、生命とその環境とか、生命の
自律性と調和性とか、或は自然と道徳とかいったような問題にふれることも稀ではなかっ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
もならなかった。かれがこれまで信奉もし、実践にもつとめて来た、友愛・正義・自主・
自律・創造、といったような、社会生活の基本的|徳目は、今のかれには、全く力のない....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ということのはき違えではないだろうか。自由ということを掘下げてゆくと、真の自由は
自律的には随分不自由なものではなかろうか。 わずかの間に妻の性格が想像も及ばぬ....
「クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
、初めて成り立つ。文化のこのアウタルキーは、カント的道徳観に於けるアウトノミー(
自律)と勿論無関係ではない。このアウトノミーが後世の新カント派に於ける認識論の方....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
年同志が、そのひたむきななやみに充ちた生をこれだけ知性ある友情によって支え、清き
自律をもってしめくくりえていることはまれなのではあるまいか。 ともかく私はこれ....