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自性
「自性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
思想家をすら必要とはしていないのだ。かえってそれらのものなしに行くことが彼らの独
自性と本能力とをより完全に発揮することになるかもしれないのだ。
それならたとえ....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
き」といかなる関係に立っているか。
(一) 上品―下品とは価値判断に基づいた対
自性の区別、すなわち物自身の品質上の区別である。言葉が表わしているように、上品と....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
が、私の生活の上に表われて来る。これまで外界に征服されて甘んじていた個性はその独
自性を発揮して、外界を相手取って挑戦する。習性的生活に於て私は無元の世界にいた。....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
見いだそうと努める――禅道は道教の教えを強調している――精進静慮することによって
自性了解の極致に達せられる――禅道は道教と同じく相対を崇拝する――人生の些事の中....
「河明り」より 著者:岡本かの子
い慾望さえむらむらと起ったほど、それにも相応しいものがあった。 一体この娘は無
自性なのだろうか、それとも本然のものを自覚して来ないからなのだろうか。また再び疑....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
な賊が住んでいた。今日のいわゆる胎内潜り――その辺に巣食っていたのであって、名詮
自性表向きは陶器を焼いていた。年は三十七八歳、蒼白い顔色、調った目鼻。一見素晴ら....
「天馬」より 著者:金史良
こなんと腰をかけた。やはり彼等は自分達自身の手で朝鮮の文化を打ち樹てそしてその独
自性を伸長させるべきで、そのことは又結局は全日本文化への寄与でもあり、又ひいては....
「白痴」より 著者:坂口安吾
、彼等の魂や根性は会社員よりも会社員的であった。伊沢は芸術の独創を信じ、個性の独
自性を諦めることができないので、義理人情の制度の中で安息することができないばかり....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
要」だけで、古代文化が全滅しても、生活は亡びず、生活自体が亡びない限り、我々の独
自性は健康なのである。なぜなら、我々自体の必要と、必要に応じた欲求を失わないから....
「学生と読書」より 著者:倉田百三
かるのは現代学生の勤勉性を少しく買いかぶっているかもしれない。 生と観察との独
自性を失わない限りは、寸陰を惜しんで読書すべきである。すぎた多読も読まないより遙....
「“歌笑”文化」より 著者:坂口安吾
、歌笑以上の新人が現れるだろうことは想像にかたくない。 しかし、歌笑に一つの独
自性があったとすれば、彼の芸の背景にしっかりと骨格をなしていた醜男の悲哀であった....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
のと云えよう。日本の仮装は一般に相当親切に綴じられているが本場の仮装の綴じは各詮
自性、ただ散り散りにならぬ程度のぐたぐたなものが多い。由来から考えればそれでいい....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
記者によって、送られたる通信記事の内容は、その冒険を競い、その敏捷を争い、その独
自性をほこり、或は又美辞麗句、奇抜であり、意表に出ずる等々千差万別の裡にあって、....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の有形の精神を紊るところの物を飲めというのじゃない。酒は性智を表わしたものでその
自性の智慧を日々よく用いよと勧められたまでであるというような具合に、すべて真実仏....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
たゞのことば」の区別もなく、「心の起るにしたがひて、ほしきまゝに言出」した。「心
自性をつかひ、うちに動く心を外にあらはすに巧み」であるから、すぐれた歌が出来たの....