自恃[語句情報] »
自恃
「自恃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自恃の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「食魔」より 著者:岡本かの子
するのは、芸術至上主義の態度であった。誤って下層階級に生い立たせられたところから
自恃に相応わしい位置にまで自分を取戻すにはカンで攀じ登れる芸術と称するもの以外に....
「李陵」より 著者:中島敦
たが、修史という仕事の意義は疑えなかった。このような浅ましい身と成り果て、自信も
自恃《じじ》も失いつくしたのち、それでもなお世にながらえてこの仕事に従うというこ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
に知らせないように遣る、この早業は、しかしながら、礼拝と、愛撫と、謙譲と、しかも
自恃をかね、色を沈静にし、目を清澄にして、胸に、一種深き人格を秘したる、珠玉を偲....
「古典竜頭蛇尾」より 著者:太宰治
その不思議の現象の一誘因となって居るのである。伝統とは、自信の歴史であり、日々の
自恃の堆積である。日本の誇りは、天皇である。日本文学の伝統は、天皇の御製に於いて....
「魔都」より 著者:久生十蘭
……すると、真名古はまだ自信を失っていないのであろうか。見受けるところ、寛々たる
自恃の色のほの見えるのは、たぶん何か期するところがあるからであろう。一体真名古は....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
健三は官報局の局長室に坐している時でも従五位勲何等の局長閣下でなくて一個の処士|
自恃庵主人であった。浜田は簡樸質素の学究、古川は卓落|不覊の逸民、陸は狷介気を吐....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
に送られたが、このお坊さんは巧みに彼の良心をついた。エセックスはすっかり崩れた。
自恃も自尊心も――すべて痛ましい愁嘆の氾濫に押し流されてしまった。彼は枢密院の議....