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「自愛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自愛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
駈込み訴え」より 著者:太宰治
してみたいとさえ思いました。もはやこの人は駄目なのです。破れかぶれなのです。自重自愛を忘れてしまった。自分の力では、この上もう何も出来ぬということを此の頃そろそ....
風の便り」より 著者:太宰治
外にも書いてしまいましたから、大切にして、消さずに、そのまま残して置きます。)御自愛を祈ります。敬具。 六月十日木戸一郎 井原退蔵様 拝復。 先....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
往々あまりに自己をあらわし過ぎて困る、そしてわれわれは虚栄心があるにもかかわらず自愛さえも単調になりがちである。茶室においては重複の恐れが絶えずある。室の装飾に....
遺書」より 著者:尾崎秀実
ついては最早何事も申しません。ただ小生の胸中お察し下さい。 国家のため先生のご自愛のほど祈る念ますます切なるものがあります。 堀川先生はじめ皆様へよろしくお....
帰去来」より 著者:太宰治
きらいのお方には、かれこれうるさく申し上げませぬ、このことお含みの上、御養生、御自愛、まことに願上候。」 昭和十一年の初夏に、私のはじめての創作集が出版せられ....
一日の労苦」より 著者:太宰治
ごろさせて置いては、もったいない、と冗談でなく、思いはじめた。生れて、はじめて、自愛という言葉の真意を知った。エゴイズムは、雲散霧消している。 やさしさだけが....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
省して沈黙するようにしていたが、後には表面の交友を円滑にし、うるさい交渉を避ける自愛的な動機から、他人の軽薄、怠慢をも責めずに済ますようになりだした。かくなれば....
地軸作戦」より 著者:海野十三
たい。九十九|路は尽き、ただ残る一路は金博士に依存する次第である。金博士よ、乞う自愛せられよ」 有頂天になったネルスキー特使は、まことに現金なごまをする。 「....
二合五勺に関する愛国的考察」より 著者:坂口安吾
信し、今日諸嬢諸氏の現身がいかほどぐうたらでだらしなくとも、断々乎として、自信、自愛せられんことを。げに人間はぐうたらであり、偉大であります。....
序に代えて人生観上の自然主義を論ず」より 著者:島村抱月
というようなものを立てよというなら、まずさしあたりこれを持って来る。人生の理想は自愛である、自己の生である。自分の実行的生活を導いて来たものは、事実このほかにな....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
よろしく御断申上まゐらせ候。めで度かしく。 なほのことの外ひえ/″\しく、随分御自愛遊ばし候やう、ねがひ上まゐらせ候。なほ又新年に相成候はゞ、不調法の詠草|伺申....
旅への誘い」より 著者:織田作之助
、あなたが苦学生の僕の洋服のほころびを縫って下すった御親切を忘れておりません。御自愛祈ります。 その文面だけでは、姉の喜美子とその大学生がどんな交際をしていた....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
と彼の返事はいう、「限り知らぬ御愛情によって、陛下はいまや私をして御恩寵のゆえに自愛せしめようとの御意にあらせられる。されば、わが女王よ、み心安くお待ちください....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
てはじめて会い、杯をあげてかさねて一行の安全をいのった。前途ははるかに遠い、請う自愛せよ、ただただ君が極地の山頂にのぼるように望む。聖明の天子はいまも健在である....
茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
り切つてゐますし、外交のへなへなも、このごろ大いに勇猛ですから御安神願ひます。御自愛いのり上げます。この夏は雨が尠くてどうかと心配してゐましたが、このごろ甘雨が....