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自来也
「自来也〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自来也の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、肌も白し、虫も殺さぬ顔をしているから、人殺しの兇状《きょうじょう》こそなけれ、
自来也《じらいや》の再来とまでいわれた人間だった。
お初も、馴染《なじ》むうち....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
が出来るとなったら、ドンナ事になるだろう。犬山|道節、石川五右衛門、天竺徳兵衛、
自来也以上の幻魔術が現代に行われ得る事になりはしまいか。
それ程でなくとも、こ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
れば、どうやら近頃から逗留した渡りものの書生坊、悪く優しげな顔色も、絵草子で見た
自来也だぞ、盗賊の張本ござんなれ。晩方|来せた旅僧めも、その同類、茶店の婆も怪し....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
き、似顔絵のうまい絵師のが絵草紙屋《えぞうしや》の店前にさがると、何町のどこでは
自来也《じらいや》が出来たとか、どこでは和唐内《わとうない》の紅流《べになが》し....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ちいさなちいさな小|蟹《かに》だのふぐだのを選《より》出してくれる、皺《しわ》の
自来也《じらいや》の、年代のついたいさみの与三|爺《じい》が、 「げッ、鉄屑《か....
「清造と沼」より 著者:宮島資夫
るし、すさのおのみことは刀を抜《ぬ》いて八頭の大蛇《だいじゃ》を切っていました。
自来也《じらいや》や同心格子《どうしんこうし》や波《なみ》に月は、いせいよく、店....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
船手、九鬼弥助、森啓之助。ともう一人は、やや風采が異なって、紺上布に野袴をつけ、
自来也鞘の大小を落した剣客肌の男――阿波本国の原士天堂一角であった。 どれも馴....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
という風采、野袴を短くはき、熊谷笠をかぶり、腰には長めな大小をさし、それは朱色の
自来也鞘であるように見られる。 弦之丞が右すれば右へ――辻で立ちどまれば止まり....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
るし、ことに、温泉町のような場所には、犯すべからざる旅客の掟がある。いくら一角の
自来也鞘や、周馬の風采にひと癖ありとみえても、めッたにそれを破らすものではない。....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
花塩がたいがい提げられている。 そのゆるい足音が流れてゆく石畳の道を、目に立つ
自来也鞘と、十夜頭巾と、異風な総髪が、大股に、肩で風を切って行った。 お供はひ....
「自来也の話」より 著者:岡本綺堂
自来也も芝居や草双紙でおなじみの深いものである。わたしも「喜劇
自来也」をかいた。....